一般に地下深くに入るにしたがって,地球内部の温度は高くなっている。その割合を地温こう配という。地温こう配を測るには,陸上では深い井戸とか掘削孔に温度計を挿入して,温度を深さの関数として測定する。深いトンネルとか鉱山の坑道を利用することもある。地温こう配の値は,ふつうは深さ100mごとに約3℃(3×10⁻2℃/m)程度といわれるが,実際には場所によってかなりの違いがある。気温の日変化,季節変化などによる影響をさけるために,正確な地温こう配の測定には数十m以上の深さの穴が必要だが,地下水の流動などのある場合にはもっと深い必要がある。深海底では,深海水温がほとんど時間変化をしないおかげで,1m程度の温度計を海底堆積物中に挿入すれば地温こう配を求めることができる。
地下の温度が高いことは,地球内部から熱がでてきていることを意味する。
→地殻熱流量
執筆者:上田 誠也
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