(読み)コン

デジタル大辞泉 「坤」の意味・読み・例文・類語

こん【坤】[漢字項目]

[音]コン(呉)(漢) [訓]ひつじさる
地。大地。「坤輿こんよ乾坤けんこん
皇后女性を表す。「坤道坤徳

こん【×坤】

易の八卦はっけの一。で表す。陰の卦で、地にかたどり、柔順で物を成長させる徳を表す。方位では南西に配する。⇔けん

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精選版 日本国語大辞典 「坤」の意味・読み・例文・類語

こん【坤】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 易の八卦一つ。算木でとあらわす。また、六十四卦の一つ。。乾(けん)に対するものとして、純粋の陰をあらわし、その徳は柔順で万物を生成させるとする。地、母、妻、皇后などの女性になぞらえ、方角としてはひつじさる、すなわち南西にあたる。〔色葉字類抄(1177‐81)〕
    1. [初出の実例]「卦は坤(コン)の卦、坤なこんくゎい、俗に申す狐(けつね)則狐福(けつねぶく)と申て、誠にふってわいたよふなさいわいが来ると見へます」(出典滑稽本東海道中膝栗毛(1802‐09)八)
    2. [その他の文献]〔易経‐繋辞〕
  3. 土地。大地。つち。〔易経‐説卦

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普及版 字通 「坤」の読み・字形・画数・意味


8画

[字音] コン
[字訓] つち

[説文解字]

[字形] 会意
土+申(しん)。〔説文〕十三下に「地なり。易の卦なり」とし、「土の位は申に在るなり」と方位説を以て説く。字は易の卦名としてみえるが、その声義の由るところは明らかでない。字形のままに解すれば、申は電光の象。乾坤天地、陰陽激発の象に由るかと思われるが、易の用字法には、ときに文字学の範囲をこえるものがあり、独自の伝統をもつものがあるようである。

[訓義]
1. 易の卦名、地、つち。乾に対し、陰・女・臣・下など、対待の意をあらわす。
2. したがう、やさしい、陰柔。
3. ひつじさる(西南)。

[古辞書の訓]
名義抄〕坤 ヒツジサル・シタガフ・ヤハラカナリ

[熟語]
坤維坤育・坤角坤儀・坤極坤垠坤隅坤倪・坤元・坤后坤載坤軸・坤図・坤則・坤典・坤道・坤母・坤輿・坤伶・坤霊
[下接語]
乾坤・転坤

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占い用語集 「坤」の解説

八卦の一つ。陰爻を三つ重ねてあらわす。自然界では「地」、卦徳は「順」、人では「母」、属性は「土」、身体では「腹」、易数は「8」、方角では「西南」をあらわす。

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世界大百科事典(旧版)内のの言及

【易】より

…左の掌中にある筮竹を右手で8本ずつ除去していき,小指の分も入れて残りが8本以内になったらやめる。残りが1本なら☰乾(けん)(天),2本なら☱兌(だ)(沢),3本なら☲離(火),4本なら☳震(雷),5本なら☴巽(そん)(風),6本なら☵坎(かん)(水),7本なら☶艮(ごん)(山),8本なら☷坤(こん)(地)。これで内卦(六爻(こう)の下半分)が得られた。…

※「坤」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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