坪井九馬三(読み)つぼいくめぞう

精選版 日本国語大辞典 「坪井九馬三」の意味・読み・例文・類語

つぼい‐くめぞう【坪井九馬三】

歴史学者。大坂出身。東京帝国大学文科大学長。実証主義史学の開拓者として知られる。著「史学研究法」「最近外交政治史」など。安政五~昭和一一年(一八五八‐一九三六

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デジタル大辞泉 「坪井九馬三」の意味・読み・例文・類語

つぼい‐くめぞう〔つぼゐクメザウ〕【坪井九馬三】

[1859~1936]歴史学者。大坂の生まれ。東京帝大教授。科学的、実証的な歴史学研究法を導入した。著「史学研究法」など。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「坪井九馬三」の意味・わかりやすい解説

坪井九馬三
つぼいくめぞう
(1858―1936)

明治大正の歴史学者。大坂生まれ。幼名久米吉。大阪開成学校、東京外国語学校に学び、のち東京帝国大学文学部および理学部を卒業、東京帝国大学御用掛となる。1897年(明治30)から約4年間ヨーロッパに留学西洋史学を研究、とくにドイツ風の史学理論を学ぶ。帰国後、文学博士、東京帝国大学教授となり、西洋史学を講ず。1904年(明治37)総長、06年帝国学士院会員、23年名誉教授となる。主著『史学研究法』(1903)は、歴史学の教訓的応用を排して、科学としての独立確保を基本思想とし、史料価値・補助学科など歴史の科学的研究の方法を論じたもの。日本の史学史上、近代歴史学の方法的基礎を確立したものとして高く評価される。

永原慶二

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「坪井九馬三」の解説

坪井九馬三 つぼい-くめぞう

1859*-1936 明治-昭和時代前期の歴史学者。
安政5年12月12日生まれ。明治20年からドイツ,オーストリア,スイスに留学し,歴史学をまなぶ。史料の考証を重視する実証史学を確立した。東京帝大文科大学教授,同大学長。学士院会員。昭和11年1月21日死去。79歳。摂津西成郡(大阪府)出身。東京大学卒。著作に「史学研究法」など。

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「坪井九馬三」の解説

坪井九馬三
つぼいくめぞう

1858.12.-~1936.1.21

明治・大正期の西洋史家。摂津国生れ。1881年(明治14)東大政治理財科,85年同大応用化学科卒。87年ヨーロッパ留学,91年帰国ののち文学博士,帝国大学文科大学教授。1923年(大正12)の退官まで西洋史を講じ,ヨーロッパ実証史学の移植に努めた。著書「史学研究法」,「最近政治外交史」全4巻。

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百科事典マイペディア 「坪井九馬三」の意味・わかりやすい解説

坪井九馬三【つぼいくめぞう】

歴史学者。摂津(せっつ)国西成郡生れ。東大卒。ベルリン大学等で研究,東大教授となりドイツ史学を紹介,科学的研究法樹立に努力。日本の近代的歴史学の開拓者。主著《史学研究法》《最近政治外交史》。

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