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基層文化 きそうぶんかbasic culture

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

基層文化
きそうぶんか
basic culture

文化との接触,被征服などによる外来文化の受容や内在的な文化的発展などの変動にもかかわらず,長期にわたって持続しその地域や民族の文化の固有性の中核になっている文化。 1890年頃,それまでの進化論の論理的不備をついた文化伝播論がヨーロッパやアメリカで盛んになり,この論者たちは異文化要素の受容,拒絶などの現象を研究するなかで基層文化に着目していった。またこれとは別に,ドイツ民俗学などでは社会の上層,中層の文化に対して庶民のになう文化は永続性が強いものと考え,それを基層文化と呼ぶことがある。

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デジタル大辞泉の解説

きそう‐ぶんか〔‐ブンクワ〕【基層文化】

民俗学の研究対象となる民族的な日常伝承文化。歴史学が対象としてきた表層文化に対していう。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

基層文化
きそうぶんか

ある民族の文化の根底にあってその文化の存立を支えている部分をいう。土壌の分析における表土に対する底層、道路舗装における表層と区別される基盤的な層を基層とよぶことがあり、文化の構造にも似たことがあると考える立場から出たことば。表層文化に対置する。社会の階級や身分には、上層・下層があり、文化もそれに結び付くことが多いが、それとは別に、どの民族にも、高度の価値発揮に連なり個性的・創造的で、多く時代性を伴う文化があるとともに、集団的・類型的に一般化して長い世代にわたり持続し伝承される文化が認められる。ハンス・ナウマンHans Naumannは、前者を表層文化、後者を基層文化と命名した。上層文化・下層文化の概念とはいちおう区別され、後者が、身分・階級にかかわらず、日常的に営まれる伝承的・慣行的文化として存在することに注目するのである。したがって今日、ある民族の基層文化は、伝承文化、民俗文化、常民文化などといわれるものとほぼ一致する。[萩原龍夫]

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