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塩化アセチル えんかアセチルacetyl chloride

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

塩化アセチル
えんかアセチル
acetyl chloride

酸塩化物の一種。化学式 CH3COCl 。眼や鼻を刺激する無色の液体。沸点 51~52℃。水に不安定で,空気中の水分でも分解して酢酸塩化水素を発生する。空気中の水蒸気によっても容易に分解し,発煙する。またアンモニアと反応してアセトアミドと塩化水素を生じ,エチルアルコールと反応して酢酸エチルと塩化水素を生じる。代表的なアセチル化試薬。たとえばアミノ基,水酸基などをもつ有機物と反応し,アセトアミノ誘導体,アセトオキシ誘導体をそれぞれ生じる。ベンゼン,クロロホルムとは反応せず,これらによく溶ける。

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世界大百科事典 第2版の解説

えんかアセチル【塩化アセチル acetyl chloride】

酢酸の酸塩化物。化学式CH3COCl,沸点50.9℃の無色の液体で,湿った空気中では発煙する。不快臭を有し目を刺激する。水と激しく反応して,酢酸と塩酸に加水分解する。アセチル化剤として有用で,第一および第二アミンと反応してアセトアミド類を生成し,またアルコールとの反応では酢酸エステルを与える。芳香環に対してはフリーデル=クラフツ反応によりアセトフェノン誘導体を与える。塩化アセチルは,酢酸に塩化チオニルSOCl2や三塩化リンなどを作用すると得られるが,実験室的に最も簡便な合成法は無水酢酸塩化カルシウムとの反応である。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

塩化アセチル
えんかあせちる
acetyl chloride

酢酸の酸塩化物。正しくは塩化エタノイルというが、一般的には塩化アセチルといわれている。刺激臭のある無色液体。
 リン存在下で酢酸と塩素ガス、酢酸ナトリウムと塩化スルフリル、酢酸と塩化チオニルなどの反応により合成する。エーテル、ベンゼンには溶けるが、水とは反応し酢酸と塩酸(塩化水素)になる。アルコールとも反応し酢酸エステルとなる。カルボニル基=Oの炭素原子上で塩素原子が置換反応されやすいので、種々の有機化合物にアセチル基CH3CO-を導入するアセチル化剤として利用される。空気中で発煙し、催涙性があり、皮膚、目、粘膜を刺激する。[谷利陸平]

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