夏越の祓(読み)なごしのはらい

百科事典マイペディア 「夏越の祓」の意味・わかりやすい解説

夏越の祓【なごしのはらい】

夏越節供水無月(みなづき)祓とも。旧暦6月晦日(みそか)をいい,大晦日とともに新しい季節に入る物忌(ものいみ)の日とされる。大阪市住吉大社の夏越祭が有名で,今は7月31日に行う。紙で作った形代(かたしろ)を神社に納めて祓とするが,牛や馬を海や川に連れていって遊ばせる地方もある。茅(ち)の輪をくぐらせて祓とする夏越神事も各地にある。
→関連項目大祓夏祭裸祭

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世界大百科事典 第2版 「夏越の祓」の意味・わかりやすい解説

なごしのはらい【夏越の祓】

6月晦日(みそか)に行う大祓(おおはらえ)の行事さし,単に夏越,または水無月(みなづき)祓などともいう。大祓は平安期には6月と12月の晦日に朱雀門において,中臣が祝詞を読んで祭事を行っていたが,後世になって6月の祓だけが残ったものである。現在,この行事は内容的・形式的に2方向に区分することができる。一つは,各地の神社で行われている茅輪(ちのわ)くぐりの行事である。鳥居のところに大きな茅で輪をつくり,そこをくぐると罪穢(つみけがれ)が祓われ,無事暑い夏が越せるというものである。

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