同じ水田あるいは畑で1年に3作以上の栽培をすること。人口当りの耕地面積が小さく,また1農家当りの経営面積も零細である日本では,歴史的に他国以上に農業生産技術の開発目標を土地の生産性向上に置いてきた。その具体化の一つの方法は多肥集約化であり,もう一つは諸種の集約的栽培方法等を駆使した多毛作化であった。年間の気候の変化幅が大きく,ほとんどいつでも作物が栽培できるだけの土壌水分がある日本では,作物の選択範囲が広く,多毛作を行いやすい恵まれた環境の下にある。さらに間作や移植によって必要とする生育日数を確保したり,低い地温や気温をわらや塩化ビニル被覆で上昇させて栽培期間を延長したり,品種改良によって生育期間を短縮し,早生化あるいは晩生化によって作期を前後に移動させるなど,多様な技術開発が多毛作の可能性を広げてきた。これらの技術を組み合わせて,野菜を中心として年間5~6作を行う作付け体系もある。ただし多毛作化を進めるほど地力の消耗も激しく,病虫害や気象災害も受けやすく,周到な総合的管理が必要となり,多くの労働力を必要とする。現在の技術選択は,一般には間作を排除して機械化しやすいように単作化するなど,経営の基幹作物に目標を絞って,むしろ毛作数を減らす傾向にある。
執筆者:塩谷 哲夫
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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