精選版 日本国語大辞典 「一毛作」の意味・読み・例文・類語
いちもう‐さく【一毛作】
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同じ水田あるいは畑に,1年に1回1作物だけを栽培する作付けの方式。1年に2回栽培する場合は二毛作である。夏季の1作だけに作付けが制限される理由は,冬季の寒さが厳しく作物が越冬できないこと,2作するには積算温度が不足すること,および地下水位が高く土壌が過湿なために水田でイネしか作れないこと(一毛作田)である。また外国の乾燥地帯や降雨期間が偏在している地帯では,土壌水分の不足による一毛作がある。耕地面積の少ない日本では,品種の早生化,間作,マルチ栽培などによって制限条件を克服して,一毛作より二毛作へ,さらに多毛作へと土地利用を集約化する方向で技術開発が行われてきた。また土木工事や暗きょ排水で湿田を乾田化して,水田の裏作(冬作)を可能とした。しかし,出稼ぎや兼業化などのために一毛作にとどまっている農家もある。
執筆者:塩谷 哲夫
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