大山鳴動して鼠一匹(読み)たいざんめいどうしてねずみいっぴき

ことわざを知る辞典「大山鳴動して鼠一匹」の解説

大山鳴動して鼠一匹

前ぶれの騒ぎばかり大きくて、結果は取るに足らないことのたとえ。イソップ寓話を経由して広まった西洋のことわざの翻訳。

[使用例] 「山岳震動して鼠一疋、はははは不動産と仰しゃるから、驚きましたよ、はははは田舎の一反を、この東京に居て一箇年の衣食住になさるンですね、はははは」[村上浪六*八軒長屋|1907]

[使用例] 被告の数は前総理一人、現職大臣一人、元大臣一人、国会議員九人、元国会議員三人、官吏十三人〈略〉判決は被告のほとんどが無罪、一部執行猶予、実刑なし〈略〉まさに大山鳴動ネズミ一匹というか〈略〉まことに不可解な事件として、後世に話題を残しているのである[西尾末広*西尾末広の政治覚書|1968]

[解説] 西洋では、イソップ寓話と一体のもので、大口をたたきながら実行の伴わない個人に対する批判として使われます。これに対し、日本では、寓話との関係がすっかり忘れられ、主として社会的な事件の論評によく使われています。
 古代ローマの詩人ホラティウスの「詩論」を出典とする説がありますが、当時からことわざとして通用していた表現とみられます。プルタルコス「英雄伝」にも類似の表現があり、ディオゲネスまで遡るともいわれますが、個人の著作というより、民衆の間にひろまっていた寓話が起源と思われます。日本にも、安土桃山時代にイソップ寓話とともに入ってきた可能性がありますが、今のところ確認できるのは幕末以降に英語やフランス語などから入った痕跡です。

〔ラテン〕Parturiunt montes, nascetur ridiculus mus.(山々が産気づいて、こっけいな二十日鼠が一匹生まれる)

〔英語〕The mountains have brought forth a mouse.(山々が鼠を生んだ)

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精選版 日本国語大辞典「大山鳴動して鼠一匹」の解説

たいざん【大山】 鳴動(めいどう)して鼠一匹(ねずみいっぴき)

前ぶれの騒ぎばかりが大きくて、実際の結果はきわめて小さいことのたとえ。ホラティウスの「詩論」に見られることば。ラテン語で Parturient montes, nascetur ridiculus mus. (山々が産気づいて、滑稽な廿日鼠が一匹生まれる)から出た西洋のことわざ。
※相撲講話(1919)〈日本青年教育会〉駒ケ嶽の凋落太刀山の独舞台「三十余回の仕切直しに一時間余を費したが、勝負は一瞬間で例の太刀の巨砲で突出されたのは、大山(タイザン)鳴動(メイドウ)して鼠一疋(ネズミいっピキ)といふ姿であった」
[補注]「大山」を「泰山」とも書く。

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故事成語を知る辞典「大山鳴動して鼠一匹」の解説

大山鳴動して鼠一匹

前ぶれの騒ぎばかり大きくて、実際の結果は取るに足らないことのたとえ。

[使用例] 大山鳴動して鼠一匹。とどのつまりが事故ですかあ[北森鴻*不帰屋|2000]

[由来] 紀元前のギリシャやローマで使われていたことわざから。たとえば、紀元前一世紀のローマの詩人、ホラティウスの詩に、「山々が産気づいて、こっけいなハツカネズミが一匹生まれる」とあるほか、「イソップ寓話集」にも同じような話があります。

〔英語〕The mountains have brought forth a mous.

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デジタル大辞泉「大山鳴動して鼠一匹」の解説

大山たいざん鳴動めいどうしてねずみ一匹いっぴき

事前の騒ぎばかりが大きくて、実際の結果が小さいこと。
[補説]もともとは、ラテン語のParturiunt montes, nascetur ridiculus mus.(山々が産気づいて、こっけいなハツカネズミが一匹生まれる)から出た西洋のことわざ。「大山」は「泰山」とも書く。

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