大東亜会議（読み）だいとうあかいぎ

精選版 日本国語大辞典

だいとうあ‐かいぎ‥クヮイギ【大東亜会議】

1. 太平洋戦争中の昭和一八年（一九四三）一一月五日、日本の占領地域の戦争協力体制を強化するために東京で開かれた会議。日本、満州国、南京の汪（兆銘）政権、タイ、フィリピン、ビルマ、インドの代表が参加した。

出典　精選版 日本国語大辞典

日本大百科全書(ニッポニカ)

大東亜会議
だいとうあかいぎ

太平洋戦争中、占領地域の協力体制を強化するため東条英機(ひでき)内閣が開催した会議。日本の敗色が濃厚となった1943年（昭和18）11月5日から6日にかけて東京で開かれた。参加者は、東条首相のほか、「満州国」の張景恵(ちょうけいけい)国務総理、南京(ナンキン)政府の汪兆銘(おうちょうめい)行政院長、タイのワン・ワイタヤコン首相名代、フィリピンのラウレル大統領、ビルマ（現ミャンマー）のバー・モー首相といった占領地区の政権の代表で、このほかオブザーバーとしてチャンドラ・ボース自由インド仮政府首班が加わっていた。会議は、各国代表の演説のあと、共存共栄、独立尊重、互恵提携などの五原則を内容とした「大東亜共同宣言」を採択した。しかし、タイが正式代表を送らなかったことに象徴されるように、各国の対日批判の姿勢は強く、「独立尊重」はスローガンの域を出ず、この「大東亜会議」自体も、内実を伴わぬ日本の宣伝の枠を越えるものではなかった。

［小林英夫］

[参照項目] | 東条英機内閣

出典　小学館　日本大百科全書(ニッポニカ)

百科事典マイペディア

大東亜会議【だいとうあかいぎ】

1943年11月５日東京の国会議事堂で開かれた日本占領下アジア各国代表の会議。日本（首相東条英機），中国（南京政府の汪兆銘），タイ（首相代行ワンワイタヤコン），フィリピン（大統領ラウレル），ビルマ（大統領バモー），満州国（国務総理張景恵）各代表が参加し，自由インド仮政府代表（主席S.C.ボース）が陪席。〈大東亜共同宣言〉を採択し共存共栄，自主独立などをうたった。
→関連項目東条英機内閣｜ワンワイタヤコーン

出典　株式会社平凡社

山川 日本史小辞典 改訂新版

大東亜会議
だいとうあかいぎ

1943年(昭和18)11月5～6日，東条内閣が東京で開催したアジア諸地域の首脳会議。太平洋戦争遂行のため，日本は「大東亜共栄圏」内の戦争協力体制を強化する必要に迫られた。そこでアジアの団結を対外的に誇示するとともに，独立の許可，一部地域の割譲を掲げて，各国地域首脳の協力をとりつけようとした。東条英機首相のほか，中華民国行政院長汪兆銘(おうちょうめい)，タイ国首相名代ワン・ワイタヤコーン，満州国国務総理張景恵(ちょうけいけい)，フィリピン共和国大統領J.P.ラウレル，ビルマ国首相バモオの各国代表が出席し，自由インド仮政府首班チャンドラ・ボースが陪席。会議終了後，大東亜共同宣言が発表された。

出典　山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

大東亜会議
だいとうあかいぎ

1943年 11月5～6日，日本政府が東京で主催したアジア諸国の会議。出席者は日本 (東条英機首相) ，中国 (汪精衛行政院長) ，満州国 (張景恵国務総理) ，タイ (ワン・ワイタヤコン首相代理) ，フィリピン (ラウレル大統領) ，ビルマ (バ・モー首相) で，自由インド仮政府の C.ボース主席も陪席した。太平洋戦争の完遂，大東亜各国の共存共栄秩序の建設，自主独立の尊重，互恵提携をはかり，「大東亜を米英の桎梏 (しっこく) から解放」するという共同宣言 (いわゆる大東亜共同宣言 ) を発表した。

出典　ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

旺文社日本史事典 三訂版

大東亜会議
だいとうあかいぎ

太平洋戦争中の1943年11月，占領地域の戦争協力体制を強化するため東京で開かれた会議
東条英機首相・汪兆銘中国代表のほか，満州・タイ・インド・フィリピン・ビルマの代表が出席。共存共栄・独立尊重・互恵提携などを定めた「大東亜共同宣言」を採択した。

出典　旺文社日本史事典 三訂版