大気大循環(読み)たいきだいじゅんかん(英語表記)general circulation of the atmosphere

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

大気大循環
たいきだいじゅんかん
general circulation of the atmosphere

地球上における大気の大規模な循環運動。極と赤道,海洋と大陸の間などで起こる。地球を取り巻く空気(大気)は,太陽から受ける熱エネルギー量の違いから北極や南極地方を冷源,赤道や熱帯を熱源とする三次元構造と,地球の自転によるコリオリの力(北半球では進行方向に右向き,南半球では左向き)によって,赤道付近の熱エネルギーを極地方へ運んでいる。熱循環の基本的な流れには三つある。一つめは,ハドレー循環といわれる低緯度の鉛直子午面循環で,熱帯収束帯と北緯 30°付近の亜熱帯高圧帯の間で熱エネルギーを高緯度に運び,地上付近では亜熱帯高圧帯から赤道方面へ貿易風(北半球では北東,南半球では南東風)となって吹く。二つめは,中緯度を西から東へ吹き地球を一周している偏西風による熱エネルギーの輸送である。偏西風帯では,南北の温度傾度が強まると流れが南北へ蛇行を始め低気圧が発生し,南北の温度傾度を解消させる熱交換をする。こうして,熱エネルギーは亜熱帯高圧帯方面から亜寒帯低圧帯方面へ運ばれる。三つめは,北緯 60°付近と極方面の極循環で,寒気が極地方から北緯 60°帯の亜寒帯低圧帯に偏東風となって流れ,上空では極向きに戻って熱交換を行なう。

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デジタル大辞泉の解説

たいき‐だいじゅんかん〔‐ダイジユンクワン〕【大気大循環】

全地球的な規模の大気の循環。高温の赤道付近と低温の極付近との間に大規模な熱対流が起こり、それに地球の自転が影響するため三つの対流に分かれ、これらが地表付近で風として吹くとき、貿易風偏西風偏東風となる。大気環流

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百科事典マイペディアの解説

大気大循環【たいきだいじゅんかん】

大気環流とも。太陽の熱作用,地球の自転の影響などによって大気が全地球的な規模で一定の循環・混合を続けている現象。古典的な循環論は対流説ともいわれ,赤道近くの高温域と極付近の低温域の間に起こる大気の対流を考え,それに地球の自転の影響が及んで偏西風や貿易風などのような東西流ができ,地上の平均的な風系がこれによって維持されると考えた。近年の理論では大循環の構成要素としてジェット気流やその変動,高・低気圧による大気の南北方向の水平混合などが占める役割を重要視し,南北の熱の運搬だけでなく,運動エネルギー,運動量,角運動量,水蒸気の輸送をも重要視する。大気大循環の研究は大気の運動,特に将来の予想に重要で,長期予報にも役立つ。
→関連項目気象衛星ジェット気流中緯度高圧帯偏西風帯

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世界大百科事典 第2版の解説

たいきだいじゅんかん【大気大循環 general circulation of the atmosphere】

全球的な規模でくりひろげられる大規模な大気運動のこと。普通は地球上の大気運動を指すが,他の惑星上の大気運動についていうこともある。大気運動は風速の東西成分,南北成分,鉛直成分によって表される。これらの成分はさらに,帯状平均(緯度線に沿ってとられた平均)とそれからのずれに分解できる。ずれの部分によって表される運動は大気じょう乱によるものである。帯状平均の南北成分と鉛直成分の合成によって得られる運動は子午面内の平均的な循環を表し,これを平均子午面循環という。

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大辞林 第三版の解説

たいきだいじゅんかん【大気大循環】

全地球的規模での大気の運動。大気環流。

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世界大百科事典内の大気大循環の言及

【惑星】より

…太陽の万有引力に引かれてその周囲を楕円運動する天体群。遊星とも呼ばれる。内側から水星,金星,地球,火星,木星,土星,天王星,海王星,冥王星の9個があり,その多くは衛星をもつ。また火星と木星の間には数多くの小惑星があり,惑星に集積し切れなかったなごりの物体群と考えられている。水星,金星,火星,木星,土星の5惑星は太陽と月を除けば天空で恒常的にもっとも明るい天体であるから,太古より人類の生活に暦,占星術の形で取り込まれてきた。…

※「大気大循環」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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