天草上島(読み)あまくさかみしま

改訂新版 世界大百科事典 「天草上島」の意味・わかりやすい解説

天草上島 (あまくさかみしま)

熊本県西部,天草諸島天草下島に次ぐ主島。上島ともいう。面積225km2。北は有明海,東は八代海に面し,大矢野島上天草市)と天草下島との間にある。行政上は松島有明姫戸竜ヶ岳倉岳,栖本(すもと)の6町と本渡市の一部であったが,合併により2004年東側が上天草市,06年西側は天草市となった。地形はおおむね東部と中南部が高く,北部は緩やかで,中央部には第三紀層の岩石とこれを貫く古い火山岩類よりなる天草最高峰の倉岳(682m),老(おい)岳,動鳴(どうめい)山など険しい500m級の山々が連なっている。

 東部は雲仙天草国立公園に属し,東海岸に平行して観海アルプスと呼ばれる念珠(ねんじゆ)山脈が走り,北端に千巌(せんがん)山および高舞登(たかぶと)山(ともに名勝)など天草松島の好展望地があり,南端に竜ヶ岳(470m。名勝)がそびえ,沈水海岸の眺望がよい。有明海に面した丘陵から石器類,縄文・弥生時代の土器類が出土,旧松島町の貴重な装飾古墳など各地に古墳が点在,早くから人類が住みついていたことを物語る。中世,北部に上津浦(こうつうら)氏,南部に栖本氏が勢威を振るい,旧栖本町には利明寺や円性寺の名刹(めいさつ)が残っている。明治初期から盛んだった石材,石灰セメント業は衰え,第2次世界大戦後,電機,プラスチックボートなどの誘致工場が旧松島町,旧姫戸町に立地している。温暖な傾斜地ではミカンが栽培され,特に北部の旧有明町ではナツミカン栽培が盛んである。南東の島や入江ではタイ,ブリの養殖,海運業の根拠地の旧竜ヶ岳町は近海マグロはえなわ,北部の旧松島町は島を回る二つの国道(266号,324号線)と八代港間のフェリーの基地が交わる陸海交通の要所で,天草五橋の終点に位置し,温泉(松島温泉。単純泉,35℃)が湧出,天草観光の一中心で,旅館,みやげ物店が多い。
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デジタル大辞泉プラス 「天草上島」の解説

天草上島

熊本県八代市の市街地西方沖にある島。正称は「上島(かみしま)」。北東部は大矢野島などを経由する天草パールラインで宇土半島と結ばれる。東部には本瀬瀬戸を挟み隣接する天草下島へ、天草瀬戸大橋が架かる。面積約225.36平方キロメートル。島の東半分は上天草市、西半分は天草市に属する。南部に位置する標高470メートルの龍ヶ岳は「天草富士」とも呼ばれ、国の名勝に指定されている。同じく国指定名勝の千厳山(せんがんざん)は島北東部に位置し、展望台からは天草五橋と天草諸島の島々を一望できる。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「天草上島」の意味・わかりやすい解説

天草上島
あまくさかみしま

上島」のページをご覧ください。

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