天草市(読み)アマクサシ

デジタル大辞泉 「天草市」の意味・読み・例文・類語

あまくさ‐し【天草市】

天草

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「天草市」の意味・わかりやすい解説

天草〔市〕
あまくさ

熊本県西部天草諸島上島西半部から下島を占める市。島原湾天草灘八代海に面する。北部は早崎瀬戸を挟んで長崎県と,南部は長島海峡を隔てて鹿児島県と向かい合う。2006年本渡市,牛深市,有明町,御所浦町,倉岳町,栖本町,新和町,五和町,天草町,河浦町の 2市 8町が合体。市域のほとんどが山林で平野部は少なく,集落は海岸線沿いに点在。柑橘類や野菜の栽培が農業の中心で,ウシやブタなどの畜産も行なう。沿岸漁業が盛んで良港が多く,タイ,ブリ,エビなども養殖する。西部では天草陶石を産する。南蛮文化の遺構や海食景観など観光資源に富み,長崎(雲仙)―熊本(阿蘇)―鹿児島(霧島)を結ぶ観光ルートの要所。中心市街地は上島と下島にまたがる本渡で,鎌倉時代は天草氏の居城地。キリシタン布教の中心地でもあり,天草学林(コレジヨ)や正覚寺(南蛮寺跡)などの史跡が多数見られる。下島西岸の下田温泉から南に下った大江にあるロマネスク風の大江天主堂と周辺,羊角湾(浦内浦)に面する崎津にあるゴシック風の崎津天主堂と周辺(2018世界遺産の文化遺産に登録)は潜伏キリシタンの集落として知られる。海食された断崖の続く岩石海岸は景観がよく,海食洞の見られる妙見浦は国の名勝・天然記念物に指定。六郎次山は国の名勝,竜仙島片島)は国の名勝・天然記念物,祇園橋は国の重要文化財,旧天草教育会館(本館正門,塀)は国の登録有形文化財。妙見浦を含む市内海岸域の大部分と上島の倉岳(682m)一帯雲仙天草国立公園に,西部の海域は天草海域公園地区に,南部の海域は牛深海域公園地区に属する。南岸沿いに国道266号線,北岸沿いに国道324号線(ロザリオライン),北西岸沿いに国道389号線(サンセットライン)が通じる。獅子島島原半島口之津などへ向かうフェリーがある。面積 683.82km2。人口 7万5783(2020)。

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日本歴史地名大系 「天草市」の解説

天草市
あまくさし

2006年3月27日:本渡市牛深市天草郡有明町御所浦町倉岳町栖本町新和町五和町・天草町・河浦町が合併
【有明町】熊本県:天草郡
【御所浦町】熊本県:天草郡
【倉岳町】熊本県:天草郡
【栖本町】熊本県:天草郡
【新和町】熊本県:天草郡
【五和町】熊本県:天草郡
【天草町】熊本県:天草郡
【河浦町】熊本県:天草郡
【本渡市】熊本県
【牛深市】熊本県

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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