夭(読み)ヨウ

精選版 日本国語大辞典 「夭」の意味・読み・例文・類語

ようエウ【夭】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ① 災難。災害。
    1. [初出の実例]「さればよくをこなはるる世はみな夭は徳にかたずとてのみこそ侍れ」(出典:愚管抄(1220)三)
  3. ② 若死にすること。夭折。
    1. [初出の実例]「吁嗟、世を済ひ教を播くの士、命を司り夭を救ふの人にして、却て婀娜繊弱の女に愧ること有る、哀に勝ふ可ん哉」(出典:柳橋新誌(1874)〈成島柳北〉初)

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普及版 字通 「夭」の読み・字形・画数・意味

夭
4画

[字音] ヨウ(エウ)
[字訓] くねらす・わかい・わざわい

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 象形
人が頭を傾け、身をくねらせて舞う形。夭屈の姿勢をいう。〔説文〕十下に「屈するなり。大に從ふ。象形」とし、〔伝〕に「其の頭頸を夭嬌(えうけう)するなり」という。若い巫女が手をあげ、髪を乱して舞う形は(しよう)で、笑の初文。その前に祝詞の器である(さい)をおく形は(若)、ゆえに夭若の意がある。その祝詞を捧げて舞う形は(呉)、神を(たの)しませることをいう。・には笑いしむ意がある。もと神をしませる意であった。また早折を夭といい、災いを殀(よう)という。その鬱屈の象をとるものであろう。

[訓義]
1. くねらせる、くねらせて舞う、おどる。
2. わかい、わかい巫女、わかくしなやかなもの。
3. わざわい、わかじに。

[古辞書の訓]
〔字鏡〕夭 モトム・ホロボス・スサシ・ソコナフ・ナカバニシヌ 〔字鏡集〕夭 カガマル・ノベヤハラク・シメ・ヲル・ワザハヒ・ソコナフ

[部首]
〔説文〕に喬・幸・(奔)の三字をこの部に属し、〔玉〕も同じ。幸を夭(ようぎやく)の会意とし、夭死の逆であるから幸の意であるとするが、理に拘泥した説である。幸は手械(てかせ)の象、それを手に加えるを執という。喬・の従うところは、枉屈(おうくつ)というよりも矯首の象。夭・(そく)は意象の近い字である。

[声系]
〔説文〕に夭声として(笑)、また声として・(妖)など七字を収める。夭は夭屈して舞う形、それに両手をあげた形を加えたものがである。が艸に従うのと同じで、艸は両手の象。

[語系]
夭・幺・yは同声。夭・幺は、拗折(ようせつ)・拗転するものをいう。幼・幽yuは束ねた糸たば、糸たばに火を加えて燻(くす)べて黒色とすることを幽という。はまた窈に作り、・幽はくらくかすかな意、みな声義に通ずるところがある。

[熟語]
夭悪▶・夭閼▶・夭遏▶・夭隠▶・夭疫▶・夭▶・夭枉▶・夭横▶・夭喬▶・夭▶・夭矯▶・夭屈▶・夭昏▶・夭采▶・夭摧▶・夭札▶・夭殺▶・夭死▶・夭疾▶・夭邪▶・夭寿▶・夭傷▶・夭殤▶・夭紹▶・夭逝▶・夭折▶・夭絶▶・夭胎▶・夭鳥▶・夭年▶・夭没▶・夭魔▶・夭命▶・夭冶▶・夭夭▶・夭▶・夭麗▶
[下接語]
嬰夭・横夭・遽夭・殺夭・寿夭・傷夭・色夭・夭・早夭・蚤夭・胎夭・天夭・桃夭・殀夭

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