妊娠線(読み)ニンシンセン

デジタル大辞泉 「妊娠線」の意味・読み・例文・類語

にんしん‐せん【妊娠線】

妊娠後半期に妊婦腹部などの皮膚にあらわれる青味または赤味を帯びた線。外皮が急に伸長し、皮下組織が断裂することによって生じる。分娩前は新妊娠線、分娩後に白く退色した線は旧妊娠線ともいう。

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精選版 日本国語大辞典 「妊娠線」の意味・読み・例文・類語

にんしん‐せん【妊娠線】

〘名〙 妊娠後半期にほとんどの妊婦の腹壁などに生じる青赤色の紡錘状の線。急激な体型変化により皮下組織が断裂して生じるもの。
※嘲る(1926)〈平林たい子〉一「幾筋かの妊娠線」

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妊娠・子育て用語辞典 「妊娠線」の解説

にんしんせん【妊娠線】

妊娠しておなかが大きくなると、皮膚が急激に引き延ばされ、ひび割れたりミミズの這ったような赤い筋ができることがあります。これが妊娠線。ただしこの線は、急激に太ったときにも出ます(もちろん男性でもあります)。妊娠が原因の場合は当然おなか、特に下腹部にできることが多いですが、乳房や太ももにもできたりします。体質もあるようなので、完全に予防するのはむずかしいようです。産後は色も白っぽくなり、目立たなくなりますが、やはり完全には消えないようです。

出典 母子衛生研究会「赤ちゃん&子育てインフォ」指導/妊娠編:中林正雄(母子愛育会総合母子保健センター所長)、子育て編:渡辺博(帝京大学医学部附属溝口病院小児科科長)妊娠・子育て用語辞典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「妊娠線」の意味・わかりやすい解説

妊娠線
にんしんせん

妊娠後半期に腹部や乳房などの皮膚にみられる限局性の長紡錘状の線で、外皮の急な過度伸長のため皮下組織が断裂して生ずる。妊婦の約90%にみられる。初め青みを帯びた赤色を呈し、のち赤褐色となるが、分娩(ぶんべん)後は退色して瘢痕(はんこん)状となる。前者を新妊娠線、後者を旧妊娠線という。

[新井正夫]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「妊娠線」の意味・わかりやすい解説

妊娠線
にんしんせん
striae of pregnancy

妊娠後半期に,腹壁や腰部,乳房などの皮膚に現れる紫赤色の線。妊婦の約 90%にみられる。皮膚が急速に引伸ばされるため,皮下組織が切れて起るもので,分娩後は退色し,白い瘢痕となる。これを旧妊娠線という。

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世界大百科事典(旧版)内の妊娠線の言及

【妊娠】より

…乳房を周縁から乳頭に向かって圧迫すると,初期には水様の透明な,後には灰白色で混濁した粘稠な黄色の小塊を混じた初乳といわれる分泌液が圧出される。(5)全身性変化 (a)皮膚の変化 妊娠による皮膚の変化としては,色素沈着,妊娠線,皮下脂肪の増加,浮腫や静脈の怒張がみられる。 暗褐色から黒褐色の色素の沈着が乳頭,乳輪,外陰部,腹壁正中線,臍窩などに起こる。…

※「妊娠線」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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