デジタル大辞泉 「姑」の意味・読み・例文・類語

こ【姑】[漢字項目]

[音]コ(漢) [訓]しゅうとめ しゅうと しばらく
夫の母。しゅうとめ。「姑舅こきゅう舅姑きゅうこ
しばらく。一時的。「姑息
難読姑娘クーニャン慈姑くわい

しゅうと‐め〔しうと‐〕【×姑】

夫または妻の母。しゅうと。
[補説]「舅」「姑」について→[補説]
[類語]義母養母まま母

しうと‐め【×姑】

しゅうとめ(姑)

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「姑」の意味・読み・例文・類語

こ【姑】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 配偶者の母。しゅうとめ。
    1. [初出の実例]「信紗氏直果安妻也。事舅姑孝聞」(出典続日本紀‐和銅七年(714)一一月戊子)
    2. [その他の文献]〔爾雅‐釈親〕
  3. 父の姉妹おば
    1. [初出の実例]「戸主姑宇利売〈年六十六耆女〉」(出典:正倉院文書‐大宝二年(702)御野国本簀郡栗栖太里戸籍)

しいと‐めしひと‥【姑】

  1. 〘 名詞 〙しゅうとめ(姑)
    1. [初出の実例]「古記云。釈親云。婦称夫之父舅。称夫之母姑。案生夫之身夫父母。俗云志比止志比止売也」(出典:令集解(738)喪葬)

しゅうと‐めしうと‥【姑】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 配偶者の母。主に、夫の母をいう。しゅうと。しいとめ。〔十巻本和名抄(934頃)〕
    1. [初出の実例]「手切る切る摘んだる菜を、親やまぼるらん、しうとめや食ふらん」(出典:土左日記(935頃)承平五年正月九日)
  3. (ふき)の若い花茎。ふきのとう。
    1. [初出の実例]「蕗の薹 ふきの芽 しうとめ」(出典:俳諧・俳諧四季部類(1780)正月)

しうと‐め【姑】

  1. 〘 名詞 〙しゅうとめ(姑)

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普及版 字通 「姑」の読み・字形・画数・意味


8画

[字音]
[字訓] しゅうとめ・しばらく

[説文解字]
[金文]

[字形] 形声
声符は古(こ)。〔説文十二下に「夫の母なり」とあり、しゅうとめ。親族称呼としては、おばをもいう。卜辞に、先王の妣が新婦に祟(たたり)することを卜する例があり、婦姑の間には、氏族霊を異にするものとして、宗教上の問題があるとされたようである。金文に、姑のために婦人祭器を作ることをしるしたものがある。

[訓義]
1. しゅうとめ、夫の母。
2. おば、父の姉妹。
3. おんな、現代語でむすめ。
4. (こ)と通じ、しばらく。

[古辞書の訓]
〔和名抄〕姑 之宇斗女(しうとめ)〔名義抄〕姑 ヲバ・シバラク・シウトメ・マタ

[熟語]
姑姑姑公・姑子姑姉姑且姑章・姑・姑娘姑壻姑洗・姑息・姑夫姑媽姑射
[下接語]
外姑・舅姑・慈姑・小姑・大姑

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

世界大百科事典(旧版)内のの言及

【しゅうと・しゅうとめ(舅・姑)】より

… 嫁が夫の家に入る嫁入婚においては,とくに嫁と夫の父母との関係がきわめて重要であり,また妻方への一時的訪婚をともなう婿入婚においては夫と妻の父母との関係も合わせて重要である。嫁入婚においてはとくに嫁と夫の父母,なかでも嫁と姑の関係は主婦権をもつ者とこれをやがて奪う者との関係であり,緊張関係が形成される。これはいわゆる嫁姑問題の背景をなすものではあるが,しかし構造的な関係であり当事者の意志とは一応関係がない。…

【嫁】より

…日本社会で,一般に息子の妻をさして使われる語。自己の妻,あるいは新妻をさす場合もある。日本の婚姻は,個人よりも,家と家との関係でむすばれることが多く,配偶者の選択にあたっては家格のつりあいが重視された。嫁入婚の場合,女は婚出して夫の両親とともに生活することが多く,男の妻としての嫁よりは,家の嫁,夫の両親との関係における嫁としての意味が強かった。つまり日本の〈家〉制度のもとでは,嫁は夫婦関係よりは,むしろ家長夫婦であるしゅうと,しゅうとめに仕える従属的な親子関係が必要とされ,このことは嫁入儀礼がしばしば夫婦盃よりは,嫁と夫の親との盃事を中心に展開されていることにも示されている。…

※「姑」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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