姑息(読み)こそく

精選版 日本国語大辞典「姑息」の解説

こ‐そく【姑息】

〘名〙 (形動) しばらくの間、息をつくこと。転じて、一時のまにあわせに物事をすること。また、そのさま。一時しのぎ。その場のがれ
翁問答(1650)上「子のねがひのままに育てぬるを、(コソク)の愛と云」
金色夜叉(1897‐98)〈尾崎紅葉〉後「一は期限内にだに返弁せば何事もあらじと姑息して」 〔礼記‐檀弓上第三〕
[語誌](1)「礼記」では、「君子」が「徳」をもって人を愛するのに対し、「細人」は「姑息」をもって人を愛するとしている。
(2)日本でも、近世に、「礼記」を受けて、儒教的な見地から否定的な語として用いられたが、一般に広く「一時のがれ」の意で用いられるようになるのは近世末からである。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉「姑息」の解説

こ‐そく【×姑息】

[名・形動]《「姑」はしばらく、「息」は休むの意から》一時の間に合わせにすること。また、そのさま。一時のがれ。その場しのぎ。「姑息な手段をとる」「因循姑息
[補説]近年、「その場だけの間に合わせ」であることから、「ひきょうなさま、正々堂々と取り組まないさま」の意で用いられることがある。
文化庁が発表した平成22年度「国語に関する世論調査」では、「姑息な手段」を、「一時しのぎ」の意味で使う人が15.0パーセント、「ひきょうな」の意味で使う人が70.9パーセントという結果が出ている。
[派生]こそくさ[名]
[類語]一時しのぎその場逃れその場しのぎ当座逃れ当座しのぎ一時逃れ糊塗弥縫びほう弥縫策泥縄場当たり一夜漬け付け焼き刃苦し紛れ間に合わせ有り合わせけちみみっちいいじましいせせこましい狡辛こすからさもしい卑しいせこい陋劣ろうれつ低劣卑怯ひきょう狭量小量けつの穴が小さい

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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