(読み)シュウト

デジタル大辞泉 「舅」の意味・読み・例文・類語

しゅうと〔しうと〕【×舅/×姑】

(舅)夫または妻の父。しゅうとおや。
(姑)「しゅうとめ(姑)」に同じ。
[補説]「舅」「姑」は、配偶者父母に対する呼びかけには使わない。また、配偶者の父母のことを他人に話すときには「お」を付けない。相手、または話題になっている人の「舅」「姑」については「お」を付けて「お舅」「お姑」と言う。
[類語](1義父養父まま父継父岳父

きゅう【舅】[漢字項目]

[音]キュウ(キウ)(漢) [訓]しゅうと
おじ母親兄弟。「舅父
しゅうと。「舅姑きゅうこ外舅

しうと【×舅】

しゅうと(舅)

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精選版 日本国語大辞典 「舅」の意味・読み・例文・類語

しゅうとしうと【舅・姑】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ( 舅 ) 配偶者の父。夫の父、または妻の父。しゅうとお。しゅうとおや。
    1. [初出の実例]「其の舅氏(シウト)は麁群なり。小夫人子を生めり。其の舅氏は細群なり」(出典日本書紀(720)欽明七年是歳(寛文版訓))
    2. 「しうとにほめらるるむこ」(出典:枕草子(10C終)七五)
  3. ( 姑 ) 配偶者の母。夫の母、または妻の母。しゅうとめ。〔運歩色葉(1548)〕
  4. 配偶者の兄弟姉妹。こじゅうと。
    1. [初出の実例]「伊与之助殿の為には大学は舅」(出典:歌舞伎・幼稚子敵討(1753)六)
  5. 番犬のことをいう、盗人仲間の隠語。〔日本隠語集(1892)〕
    1. [初出の実例]「犬の吠えることを舅が八釜(やかま)しいと云ふので有りますが」(出典:落語・閉込み(1897)〈三代目柳家小さん〉)

しいとしひと【舅】

  1. 〘 名詞 〙しゅうと(舅)
    1. [初出の実例]「古記云。釈親云。婦称夫之父舅。称夫之母姑。案生夫之身夫父母。俗云志比止志比止売也」(出典:令集解(738)喪葬)

しゅうと‐おしうとを【舅】

  1. 〘 名詞 〙しゅうと(舅)
    1. [初出の実例]「舅(シフトヲ)の僧に銭二十貫を貸りて装束をつくり。〈真福寺本訓釈 舅 シフトヲ〉」(出典:日本霊異記(810‐824)下)

しうと【舅】

  1. 〘 名詞 〙しゅうと(舅)

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普及版 字通 「舅」の読み・字形・画数・意味


13画

[字音] キュウ(キウ)
[字訓] しゅうと

[説文解字]

[字形] 形声
声符は臼(きゆう)。〔説文〕十三下に「母の兄弟を舅と爲し、妻のを外舅と爲す」とあり、〔爾雅、釈親〕の文による。〔詩、秦風、渭陽〕「我、舅氏をり 曰(ここ)に渭陽に至る」、〔左伝、僖九年〕「(宰)孔をして伯舅に胙(さく)(祭肉)を賜はしむ」など、異姓の人にも用いる。金文には〔陳(ちんぼうき)〕「我が皇(くわうきう)に孝す」のようにを用いることがある。

[訓義]
1. おじ、母の兄弟。
2. しゅうと、夫の父、妻の父。
3. 妻の兄弟。
4. 異姓の人に親しんでいう。
5. 久と通じ、ひさしい。

[古辞書の訓]
和名抄〕舅 母方乃乎知(ははかたのをぢ) 〔名義抄〕舅 シウト・ハハカタノヲヂ 〔字鏡集〕舅 イトコ・シウト・ヲヂ

[熟語]
舅姑舅公・舅妻・舅氏・舅母
[下接語]
外舅・元舅・姑舅・后舅・叔舅・諸舅・親舅・甥舅・伯舅・老舅

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「舅」の意味・わかりやすい解説


しゅうと

舅・姑

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世界大百科事典(旧版)内のの言及

【親族名称】より

…また宗族は男系であるため,女系血族とははっきり区別されて呼ばれる。父の兄弟は〈伯父・叔父〉でその妻を〈伯母・叔母〉,姉妹を〈姑〉,それに対し母の兄弟は〈舅〉,姉妹は〈従母〉または〈姨〉という。舅は夫の父,姑は夫の母を意味することもある。…

【しゅうと・しゅうとめ(舅・姑)】より

婚姻を契機として新たに設定される親族関係のなかで,夫からみて妻の父母,妻からみて夫の父母をシュウト・シュウトメとよぶが,一般的には嫁からみて夫の父母を指すことが多い。このことは伝統的な日本の婚姻居住形態が最終的に夫方居住となる例が多かったことに関連している。シュウト・シュウトメとの親族関係の締結は,婚姻儀礼におけるサカズキ(盃事(さかずきごと))を通じて行われる。夫と嫁の父母とのサカズキは夫の朝婿入りに際して行われることが多いが,嫁と夫の父母とのサカズキは祝言(しゆうげん)の中心的行事である。…

【嫁】より

…日本社会で,一般に息子の妻をさして使われる語。自己の妻,あるいは新妻をさす場合もある。日本の婚姻は,個人よりも,家と家との関係でむすばれることが多く,配偶者の選択にあたっては家格のつりあいが重視された。嫁入婚の場合,女は婚出して夫の両親とともに生活することが多く,男の妻としての嫁よりは,家の嫁,夫の両親との関係における嫁としての意味が強かった。つまり日本の〈家〉制度のもとでは,嫁は夫婦関係よりは,むしろ家長夫婦であるしゅうと,しゅうとめに仕える従属的な親子関係が必要とされ,このことは嫁入儀礼がしばしば夫婦盃よりは,嫁と夫の親との盃事を中心に展開されていることにも示されている。…

※「舅」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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