(読み)チャク

デジタル大辞泉 「嫡」の意味・読み・例文・類語

ちゃく【嫡】[漢字項目]

常用漢字] [音]チャク(呉) テキ(漢)
本妻。正妻。「嫡妻嫡出
正妻の産んだ跡継ぎ。「嫡子正嫡廃嫡
直系のつながり。正統。「嫡嫡嫡流

てき【嫡】[漢字項目]

ちゃく

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精選版 日本国語大辞典 「嫡」の意味・読み・例文・類語

ちゃく【嫡】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ちゃくしゅつ(嫡出)」または「ちゃくし(嫡子)」の略。
    1. [初出の実例]「其承嫡者相承為王」(出典:続日本紀‐慶雲三年(706)二月庚寅)
    2. 「皇兄弟以上は同等内に於て嫡を先にし庶を後にし」(出典:皇室典範(1947)八条)
    3. [その他の文献]〔春秋公羊伝‐昭公五年〕
  3. 正統。直系。嫡流。
  4. ちゃくさい(嫡妻)」の略。〔詩経序‐召南・江有汜〕

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普及版 字通 「嫡」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 14画

(旧字)
14画

[字音] チャク・テキ
[字訓] むかひめ・つま・よつぎ

[説文解字]
[金文]

[字形] 形声
声符は(てき)。は帝を祀る祭儀を示す(てい)()の字で、その祭儀を執行しうるものは、帝の直系者であることを要した。のち字は分かれて(てい)ととなり、はその祭儀、はその執行者の身分をいう。は嫡妻、〔説文〕十二下に「(つつし)むなり」、次条に「(しよく)はむなり」とみえる。周初の金文〔大盂鼎(だいうてい)〕に周王・武王・成王を「)祀」することがみえる。嫡は正嫡・正夫人、その子を嫡子・嫡嗣という。

[訓義]
1. むかひめ、正夫人、つま。
2. よつぎ。
3. つつしむ。

[古辞書の訓]
〔新字鏡〕 牟加比女(むかひめ)、、毛止豆女(もとつめ)/母 万々波々(ままはは) 〔名義抄 モトツメ・ヒトノメ・ムカヒメ 〔立〕 イマメ・ムカヒメ・モトノメ 〔字鏡集〕 ムカヒメ・モトノメ・ツク・トツキ・マサシ

[声系]
〔説文〕に)声として(適)・(敵)・(滴)・(摘)・など十一字を収める。)は祀を示す字。帝の嫡系として、それに「適(かな)い」「敵(あた)る」もので、はその声義を承ける。別にのように、まるくつぶらなもの、またうつ音を形容する意に用い、正嫡の意にあたらぬものには、その系列の語が多い。

[熟語]
嫡位嫡裔・嫡妻・嫡子・嫡嗣嫡室嫡庶嫡妾嫡孫嫡男嫡長・嫡嫡嫡派嫡配・嫡父・嫡婦・嫡流
[下接語]
元嫡・世嫡・正嫡・長嫡・冢嫡・廃嫡・立嫡

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