コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

学業不振児 がくぎょうふしんじ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

学業不振児
がくぎょうふしんじ

学業成績,あるいは学力が著しく低い児童生徒。精神障害や中枢神経系における機能障害により知能が低い場合は含まない。学業不振の判定法には,(1) 学力検査の絶対値を用いる絶対評価。 (2) 学年や学級における学力の位置を用いる相対評価。 (3) 学力と知能との差を用いる個人内評価,があり,(3) により学業不振と判定された子供はアンダーアチーバー under-achieverと呼ばれる。原因は,本人の学習習慣の欠如や教師の教授法の失敗などの直接的要因から,学習環境など間接的な要因まで,相互に関連しあっている。こうした諸原因に応じて教育,治療,環境改善により克服していくことが必要である。

出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について | 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

学業不振児
がくぎょうふしんじ

学業がふるわない状態にある子供をさすが、定義としては2種類に分ける。
(1)相当する学年レベルに比較して明らかに学力が遅れている状態(絶対的学業不振)。
(2)知的能力(知能)から期待される水準に比較し、学力水準が明らかに遅れている状態(相対的学業不振)。アンダーアチーバーunderachieverとはこのタイプの子供をいう。
 学力の明らかな遅れについての内容は、両者とも明確ではない。一般的には、絶対的学業不振の場合は、2学年を超える遅れや5段階評定での1の段階をさすことが多い。一方、相対的学業不振の場合は、標準的な知能検査と学力検査の偏差値の差(成就値)などによって規定することが多いが、確定した規準はない。学業不振は、環境要因(情緒的側面、教育環境、学習方法)と発達要因(身体的側面、知的能力発達)、さらにはその複合など、多様な関連性のなかで発生する現象である。不登校などの背景にも、学力の低下や学業の不振が要因として存在することも指摘されている。
 知的発達水準が境界域(知能指数70から85程度)にあって、学業が遅れがちなものを学習遅進児slow learnerとよぶこともある。また、明らかな知的障害によるものではないが、何らかの発達的障害が推定され、特異な学習の困難を呈するものについては、学習障害learning disabilitiesという新しい概念でのとらえ方もある。[上野一彦]
『小口忠彦・森田幸寿・井上弘編『講座学業不振児の指導2 教科と評価』(1970・明治図書出版) ▽上野一彦・牟田悦子編著『学習障害児の教育――診断と指導のための実践事例集』(1991・日本文化科学社)』

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について | 情報 凡例

学業不振児の関連キーワード障害児学級夏期学校特異児童促進学級進級制度

今日のキーワード

吝か

[形動][文][ナリ]1 (「…にやぶさかでない」の形で)…する努力を惜しまない。喜んで…する。「協力するに吝かではない」2 思い切りの悪いさま。「民衆も天才を認めることに―であるとは信じ難い」〈芥川...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android