安楽律院(読み)あんらくりついん

精選版 日本国語大辞典 「安楽律院」の意味・読み・例文・類語

あんらく‐りついん‥リツヰン【安楽律院】

  1. 滋賀県大津市坂本、比叡山横川飯室(よかわいむろだに)にある律院延暦寺別所。永延元年(九八七叡桓(えいかん)開基。はじめは安楽院といい、のち天台律宗(兼学派)の総本寺となった。

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日本歴史地名大系 「安楽律院」の解説

安楽律院
あんらくりついん

[現在地名]大津市坂本本町

横川飯室よかわいいむろ谷に属し、飯室不動堂北方、安楽谷とよばれる地に位置し、もと安楽院と称した。「日本紀略」天暦元年(九四七)三月二六日条に天台安楽院とあるが、長徳二年(九九六)八月二六日の僧範好等連署起請文(高山寺文書)によれば、藤原師輔一門の僧叡桓(飯室上人・安楽上人とよばれた)をはじめ、範好・忠正・延久・惟慶の五僧により、寛和元年(九八五)一〇月念仏道場として開かれたのが安楽院の始まり。翌二年夏、恵心僧都源信を招請し念仏結縁の行法が始修され、その念仏会の縁起草案慶滋保胤よししげのやすたね(寂心)が作ったと伝える。

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百科事典マイペディア 「安楽律院」の意味・わかりやすい解説

安楽律院【あんらくりついん】

比叡山横川(よかわ)飯室(いいむろ)谷にある天台宗安楽律法流の道場。985年叡桓(えいかん)が創建。江戸初期,小乗戒を軽視する伝統反省を加えた安楽律運動の拠点として,1694年霊空(りょうくう)が住持して活躍。源信が《往生要集》をここで著したと伝える。

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