官僚資本(読み)かんりょうしほん

旺文社世界史事典 三訂版「官僚資本」の解説

官僚資本
かんりょうしほん

中国の高級官僚地位を利用して投資した特権的な資本形態
民族資本と対比される。中国において,科挙による官僚層の拡大とともに,彼らは物産の買い占めや高利貸・鉱山経営,軍需物資の輸送などに投資して,莫大な資本を蓄積した。例えば,清の乾隆 (けんりゆう) の大臣和珅 (わしん) は巨大な土地と多数の金融機関を持っていた。19世紀後半,外国資本の流入とともに近代工業に対する官僚投資が活発となり,富豪の官僚化を伴って中華民国時代に及んだ。清末期の洋務派官僚,国民政府の四大家族(蔣・宋・孔・陳)などがその代表である。

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百科事典マイペディア「官僚資本」の解説

官僚資本【かんりょうしほん】

中国の半植民地・半封建経済を基礎に発生した独占資本。古くは土地に投資して大地主となった官僚の資本を意味し,アヘン戦争後は外国資本の援助下に発展した,大銀行家・大買弁の性格を兼ねた大地主資本をいう。のち買弁的・封建的国家独占資本に発展(中国四大家族)。中華人民共和国成立後は没収国有化された。→買【べん】
→関連項目四大家族

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世界大百科事典 第2版「官僚資本」の解説

かんりょうしほん【官僚資本 guān liáo zī běn】

民族資本と対立する概念。とくに,中国共産党革命運動で生み出された概念である。民族資本反帝・反封建闘争に参加する可能性があるが,官僚資本は結果的に革命の物的条件を用意するものではあっても,旧勢力(大地主,大商業資本)を維持強化するだけでなく,民族的利益を外国帝国主義に売り渡す買弁的性格しかない,として毛沢東たちによって非難されたものである。毛沢東の〈連合政府論〉(1945)では,〈大地主,大銀行家,大買弁の資本をいう〉と説明され,〈当面情勢とわれわれの任務〉(1947)ではさらに,〈外国帝国主義ならびに国内の地主階級・旧式富農とかたく結びついた封建的買弁的独占資本〉として,その反動性,買弁性が強調された。

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