1862年(文久2)正月に発行された日本最初の邦字紙。鎖国中、長崎に入港したオランダ船が幕府に提出していた風説書(ふうせつがき)(ニュース)にかわって、オランダの新聞を献上するようになったため、この新聞を幕府の蕃書調所(ばんしょしらべしょ)が翻訳、江戸の書店萬屋(よろずや)兵四郎に発売させたもの。原書はバタビヤのオランダ総督府の機関紙『ヤバッシェ・クーラント』Javasche Courantで、1861年8月31日から11月16日までの分を抄訳し、翌年正月から2月に23巻に分けて発行した。半紙二つ折、5、6枚を1冊とし、木活字を用いて印刷した。内容は各国の情勢を国別に編集したもので、翻訳者は箕作阮甫(みつくりげんぽ)、川本幸民(こうみん)、杉田玄瑞(げんずい)、松本弘安(こうあん)、柳河春三(やながわしゅんさん)、神田孝平など一流の洋学者である。その後は、1862年8月から9月にかけて『官板海外新聞』と改題し、同年1月1日から29日までの分の抄訳を9巻に分けて発行している。
[春原昭彦]
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江戸幕府が海外情報を公開するため,1862年(文久2)蕃書調所の翻訳で刊行した邦字紙。木活字版。万屋兵四郎方から発売。もとになったのは週2回バタビアで発行されたオランダ領東印度総督府の機関紙「ヤバッシェ・クーラント(Javasche Courant)」。61年8~11月分を23巻本として刊行。半紙二つ折で冊子形態,欧米の政治情勢などを掲載。「官板海外新聞」は「官板バタビヤ新聞」を継続したもので,62年1月分を洋書調所(蕃書調所が改称)が翻訳。「官板海外新聞別集」3冊は,1冊がオランダの新聞から遣欧使節の動向を訳載した「日本使節巡行紀事」,上下巻2冊がニューヨークの新聞から南北戦争の状況を訳載したもの。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報
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