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攘夷論 じょういろん

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

攘夷論
じょういろん

江戸時代末期,ヨーロッパ諸国家の日本への進出に伴い,これを夷狄 (いてき) 視し,排撃しようとした思想。その根源は儒学の華夷思想による日本の独善的観念と国学に基づく国家意識である。それが,開港を契機として格段に高められ,水戸学などによる国粋主義の高まりと結びついて,民族的反発と危機意識を助長し,尊王攘夷思想およびそれによる尊王討幕運動へと移行した (→尊王攘夷運動 ) 。

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デジタル大辞泉の解説

じょうい‐ろん〔ジヤウイ‐〕【××夷論】

江戸末期、外国との通商に反対し、外国を撃退して鎖国を通そうとする排外思想。のちに尊王論と合流して討幕運動の主潮をなした。

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百科事典マイペディアの解説

攘夷論【じょういろん】

幕末に勢力をもった封建的排外思想。開国論に対する。儒学の華夷思想を素地とし,現実の外国勢力の脅威下で尊王論国学神国思想と癒着し,特に開港以降は幕府の条約締結反対をスローガンとする反幕勢力の思想的支柱となった。
→関連項目海防論官板バタビヤ新聞黒船薩英戦争徳川斉昭明治維新

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世界大百科事典 第2版の解説

じょういろん【攘夷論】

幕末における西洋列強の接近に対応し,海防論の一環として発生,展開した思想。攘夷論は開国論と対置される場合があるが,現実政策としての開国論と対立するのは鎖国論である。一方,国際社会のとらえ方という点で攘夷論,というよりもむしろ攘夷論の前提をなす華夷思想と対立するのは,諸国家は独立平等の存在であるべきだとする国家平等の観念である。攘夷論は鎖国論と結びついて発生したが,やがて西洋列強に並立するための海外膨張論などを生み出し,明治維新前後に華夷思想が解体するのとともに消滅した。

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大辞林 第三版の解説

じょういろん【攘夷論】

幕末、外国との通商に反対し夷狄(外国)の排撃を主張する思想。開港以後は、尊王論と結びつき下級武士の政治運動を支える尊王攘夷論となった。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

攘夷論
じょういろん

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世界大百科事典内の攘夷論の言及

【海防論】より

…鎖国論にもさまざまな立場があるが,貿易は日本有益の品と外国無用の品を交換するものだという貿易有害無益論が,キリスト教排斥論とともに,ほぼ共通の前提となっていた(この理論は以前からあった)。 鎖国論のなかで重要なのは,1820‐30年代に完成する水戸学攘夷論である。西洋諸国は卑しむべき夷狄(いてき)だから,接近してくれば打ち払うべきだという説であるが,この攘夷論の根底にあったのは,西洋諸国の危険をキリスト教やその他の有害思想の浸透といういわば間接侵略に焦点をおいてとらえる見方である。…

【尊王論】より

…しかし,天皇―将軍―大名―藩士という各級の者が直接の上位者に忠誠をささげることが不動の前提となっているため,尊王はこの階層秩序を維持しようとするものにほかならない。この意味でそれは,幕藩体制の階層秩序を防衛するために西洋の思想文物の浸透を阻止することに焦点をおいたその攘夷論と不可分の関係にあり,敬幕と結びついた江戸時代尊王論の枠内にとどまっていたといってよい。アヘン戦争(1839‐42)の衝撃とともに,水戸学の尊王攘夷論は広く武士層の間に浸透しはじめる。…

【中華思想】より

…華夏を侮り攻撃の矛を向けようものなら,中華意識はがぜん憤激し排撃的となる。〈夷狄,膺懲(ようちよう)すべし〉の攘夷論に転ずる。華夏は文化的に優越しているだけでなく,軍事においても夷狄を圧倒する大国であるべきなのである。…

【水戸学】より

…華夷思想に基づく〈夷狄〉の観念と西洋諸国とを不可分に結びつけ,その打払いを唱道したのは,水戸学が初めである。この攘夷論は軍事的防衛の施策を含みつつも,主眼は幕藩体制の階層秩序を保持するために,キリスト教や平等思想など西洋の思想文物が浸透してくるのを阻止することにあった。水戸学が西洋諸国の強大さを認識しつつも,あえて〈攘夷〉を唱えたのはこのためである。…

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