宜春(読み)ぎしゅん

精選版 日本国語大辞典 「宜春」の意味・読み・例文・類語

ぎ‐しゅん【宜春】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙
    1. 快適な春。古く、中国で立春の日、色紙や幟にこの二字を書いて門口に貼り出したり、立てたりした。
      1. [初出の実例]「宜春漸闌 良夜将暁」(出典:本朝文粋(1060頃)九・風月一朝阻詩序〈菅原雅規〉)
      2. [その他の文献]〔荊楚歳時記〕
    2. 酒の異称
      1. [初出の実例]「酒は春に宜しき物なりとて、宜春を酒の名ともしつめれ」(出典:仮名草子・よだれかけ(1665)三)
  2. [ 2 ] 中国、隋代、江西省西部におかれた郡。中心は萍郷市の東方の宜春県。城南仙女、湖岡、宜春、化成鳳凰の宜春五台があった。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「宜春」の意味・わかりやすい解説

宜春
ぎしゅん / イーチュン

中国、江西(こうせい)省西部の地級市。1市轄区、6県を管轄し、樟樹(しょうじゅ)など3県級市の管轄代行を行う(2016年時点)。人口514万5473(2010)。贛江(かんこう)の支流袁水(えんすい)の中流部にあり、滬昆(ここん)線(上海(シャンハイ)―昆明(こんめい))に沿う。北西部は湖南(こなん)省と接する。1979年市制施行。漢代に宜春県が置かれ、晋(しん)代に宜陽と改名、隋(ずい)代に宜春に復し、明(みん)・清(しん)代には袁州(えんしゅう)府治であった。米、サツマイモナタネアブラナ)、チョマ、椿油(つばきあぶら)、用材タケを産し、夏布(麻織物)、爆竹漆器、松花ピータンなどの特産がある。西の萍郷(へいきょう)市との境に温泉が湧出する。無公害野菜の産地として知られるほか、建材や石油化学、製薬、食品関連の産業も盛ん。

[河野通博・編集部 2017年2月16日]

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普及版 字通 「宜春」の読み・字形・画数・意味

【宜春】ぎしゆん

立春の貼紙

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