中国において,爆竹とは本来,文字通り青竹を火の中に入れて爆(や)くことをいう。妖怪や悪鬼のたぐいは,その激しい破裂音に驚いて退散するとされた。古く梁の宗懍(そうりん)著《荆楚歳時記》正月の条に見え,六朝後期にはすでに除夜から新年にかけての厄ばらいの一つになっていた。この習俗は,以後長く続き,唐詩の中では〈爆竿(ばくかん)〉ともいう。北宋以後,硫黄をまじえた火薬を用い,〈爆仗(ばくじよう)〉と呼ばれた。現代の中国では,景気のよい,にぎやかな気分をかもし出すものとして,単に新年(旧正月)だけではなく,祭日やめでたい日に使用される。現在の爆竹は,黒色火薬を厚手の紙筒の中につめて密封し,一端から紙をよった導火線を引き出したものである。ほぼ次の2種類に分類される。(1)多数の小さな爆竹をつらね,一度点火すると次々と鳴りひびくもの(鞭炮(ピエンパオ)),(2)地面に立てたり,手に垂直にもって一度鳴らすもので,(1)の豆爆竹より大型で音の大きなもの(炮仗(パオチヤン))。
執筆者:植木 久行
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音響花火の一種。古代中国で、火にあぶった青竹の破裂音で悪鬼を退散させた風習に始まり、のち火薬を短い竹筒に詰めるようになり、宋(そう)代には紙筒も用いられるようになった。大形で爆発音の大きい炮(パオ)と、小形のものを数個ないし十数個導火線でつないで、一端に点火し連続して爆音を発する鞭(ピエン)とがある。もとは元日に用いたが、のち、広く慶事・祝祭日に用いられ、中国、台湾ほか東南アジアにみられる。
[佐藤農人]
…戦後はプラスチック製ロケット型の容器に入れたもの,プラスチック板に紙玉をはったもの,紙玉をテープ式に細長く巻いた〈巻き玉〉などがある。ほかに〈クラッカー〉という三角錐形のものがあり,これは筒の先端の紐を引くと爆音を発する一種の爆竹である。【斎藤 良輔】。…
…軽い食事やカナッペに用いる。なお,紙筒に糸をつけ,それをひくと大きな音をたてる爆竹の一種もこの名で呼ばれ,パーティなどでさかんに用いられる(癇癪玉(かんしやくだま))。ビスケット【西村 潔】。…
※「爆竹」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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