熊本県中部、下益城(しもましき)郡にあった旧町名(城南町(まち))。現在は熊本市南区の東南部を占める地域。1955年(昭和30)隈庄(くまのしょう)町と杉上(すぎかみ)、豊田(とよだ)の2村が合併して改称。2010年(平成22)鹿本(かもと)郡植木町(うえきまち)とともに熊本市へ編入。旧町名は熊本城の南にあることによる。南半の浜戸(はまと)川水系によって開析された肥後(ひご)台地と、北半の緑川、浜戸川によって形成された熊本低地とからなる。米麦生産とその加工(酒造業)が伝統的な主産業であったが、熊本低地中の孤立丘にはミカン栽培も行われてきた。現在では、水田裏作としてのメロン、イチゴなどの施設園芸、樹木の栽培も盛んである。また、市中心部への通勤者も多く、ベッドタウン化も進行している。九州自動車道の建設の過程で、国指定史跡となった塚原古墳群が発掘され、阿高・黒橋貝塚(あだかくろばしかいづか)、御領(ごりょう)貝塚、さらに陣内(じんない)廃寺跡の存在とも絡み、学問的にも貴重な資料を提供している。これらは、城南町歴史民俗資料館(現、熊本市塚原歴史民俗資料館)の建設(1983)によって、重要な観光資源ともなっている。
[山口守人]
『松本雅明編『城南町史』(1965・城南町)』
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…丘陵地を開墾した畑地では,ソウル特別市の大人口を背景として園芸,畜産,酪農などの商業的農業が盛んとなっている。ソウルの膨脹に伴い,そのベッドタウン化も顕著であり,1973年には郡の一部が城南市として分離された。その後も城南市が拡大している(1995年に人口約87万)のに対して郡人口は減少に転じ,1995年現在9万3195人である。…
…政府はソウルへのこれ以上の人口集中を防ぐために,工場や大学の分散による地方都市の充実,セマウル運動などによる農村振興政策を通じた農民の離村抑制などに努めているが,ソウルと地方都市の経済的,文化的隔差が大きく,容易にソウルの膨脹をとめられないでいる。例えば,1970年代初めにソウル市当局は河川敷や丘陵地に不法に住みついた住民のスラム(板子村(パンジヤチヨン)という)をソウル近郊に強制移転させ,人口88万9000(1995)の城南市をつくったが,住民の多くはソウル市に職場を得ている。
[各地域の特徴]
ソウルは区制がとられており,25区(1996現在)ある。…
※「城南」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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