城南(読み)ジョウナン

デジタル大辞泉 「城南」の意味・読み・例文・類語

じょうなん〔ジヤウナン〕【城南】

福岡市の区名。昭和57年(1982)西区の東部が分区して成立。

じょう‐なん〔ジヤウ‐〕【城南】

城の南方。都の南側。また、その地域

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精選版 日本国語大辞典 「城南」の意味・読み・例文・類語

じょう‐なんジャウ‥【城南】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙
    1. 城や都城の南方。また、その地域。
      1. [初出の実例]「秋日陪左丞相城南水石亭蔵外吏大夫七旬之秋教一首」(出典:雑言奉和(10C初か))
      2. 「又城南の鳥羽と云ふ所に離宮をたて」(出典:神皇正統記(1339‐43)上)
      3. [その他の文献]〔古楽府‐戦城南〕
    2. 城郭の南側の部分。
  2. [ 2 ] 福岡市の行政区の一つ。昭和五七年(一九八二)西区から分離成立。市中央部、樋井川左岸の住宅地

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「城南」の意味・わかりやすい解説

城南
じょうなん

熊本県中部、下益城(しもましき)郡にあった旧町名(城南町(まち))。現在は熊本市南区の東南部を占める地域。1955年(昭和30)隈庄(くまのしょう)町と杉上(すぎかみ)、豊田(とよだ)の2村が合併して改称。2010年(平成22)鹿本(かもと)郡植木町(うえきまち)とともに熊本市へ編入。旧町名は熊本城の南にあることによる。南半の浜戸(はまと)川水系によって開析された肥後(ひご)台地と、北半の緑川、浜戸川によって形成された熊本低地とからなる。米麦生産とその加工(酒造業)が伝統的な主産業であったが、熊本低地中の孤立丘にはミカン栽培も行われてきた。現在では、水田裏作としてのメロンイチゴなどの施設園芸、樹木の栽培も盛んである。また、市中心部への通勤者も多く、ベッドタウン化も進行している。九州自動車道の建設の過程で、国指定史跡となった塚原古墳群が発掘され、阿高・黒橋貝塚(あだかくろばしかいづか)、御領(ごりょう)貝塚、さらに陣内(じんない)廃寺跡の存在とも絡み、学問的にも貴重な資料を提供している。これらは、城南町歴史民俗資料館(現、熊本市塚原歴史民俗資料館)の建設(1983)によって、重要な観光資源ともなっている。

[山口守人]

『松本雅明編『城南町史』(1965・城南町)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「城南」の意味・わかりやすい解説

城南
じょうなん

熊本県中部,熊本市南部の旧町域。熊本平野南部,緑川とその支流浜戸川流域に位置する。1955年隈庄町,杉上村,豊田村が合体して成立。2010年熊本市に編入。中心地区の隈庄は古くから物資集散地として発達。熊本平野と洪積台地の接合点にあたり伏流水が豊富で,清酒醸造工場が立地。東部一帯は舞ノ原洪積台地で花卉,メロン,植木の生産が多く,西部は沖積地で水田が多い。縄文時代の阿高・黒橋貝塚,御領貝塚 (ともに国の史跡) ,方形周溝墓で知られる塚原古墳群 (国の史跡) ,鎌倉時代の隈庄城跡など古跡が多い。下田イチョウは国の天然記念物。

城南
じょうなん

東京都区部のうち,皇居 (江戸城 ) を中心に,その南部に広がる地域名。明確な範囲はないが,一般に港,品川,大田の各区を含む場合が多い。臨海部は中小工場や港湾施設,台地部は住宅地やビジネス街,商業地が広がる。

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百科事典マイペディア 「城南」の意味・わかりやすい解説

城南[町]【じょうなん】

熊本県中部,下益城(しもましき)郡の旧町。緑川南岸を占め,東部の台地は畑作地,西部は熊本平野の水田地帯をなし,米,麦,メロン,イチゴなどを産する。酒造工場もある。熊本市に近く,通勤者も多い。2010年3月鹿本郡植木町と熊本市へ編入。36.88km2。1万9641人(2005)。
→関連項目南[区]

城南【じょうなん】

韓国,京畿道,ソウル市江南区の東南方にある都市。なだらかな丘陵地の農村だったが,1970年代の初めにソウル市当局が市内の河川敷や丘陵地の不法居住者のスラムを徹去,城南に強制移転させて以来,ソウルのベッドタウンとして人口が急増,1973年には市に昇格。さらに近年は市の南端に巨大住宅タウン盆唐が完成した(盆唐市として分離独立の動きがある)。94万9964人(2010)。
→関連項目京畿道ソウル

城南[区]【じょうなん】

福岡県福岡市中部の区。1982年西区から分区。住宅文教地区で中心は鳥飼(とりがい)地区。樋井川の左岸に位置し,南部は油山(あぶらやま)丘陵の北麓で油山市民の森がある。北部は中央区に接し,1960年代後半に金山(かなやま)団地,堤(つつみ)団地など大規模な住宅団地を造成。福岡大学,中村学園大学などがある。15.99km2。12万8659人(2010)。

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改訂新版 世界大百科事典 「城南」の意味・わかりやすい解説

城南 (じょうなん)

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世界大百科事典(旧版)内の城南の言及

【広州】より

…丘陵地を開墾した畑地では,ソウル特別市の大人口を背景として園芸,畜産,酪農などの商業的農業が盛んとなっている。ソウルの膨脹に伴い,そのベッドタウン化も顕著であり,1973年には郡の一部が城南市として分離された。その後も城南市が拡大している(1995年に人口約87万)のに対して郡人口は減少に転じ,1995年現在9万3195人である。…

【ソウル】より

…政府はソウルへのこれ以上の人口集中を防ぐために,工場や大学の分散による地方都市の充実,セマウル運動などによる農村振興政策を通じた農民の離村抑制などに努めているが,ソウルと地方都市の経済的,文化的隔差が大きく,容易にソウルの膨脹をとめられないでいる。例えば,1970年代初めにソウル市当局は河川敷や丘陵地に不法に住みついた住民のスラム(板子村(パンジヤチヨン)という)をソウル近郊に強制移転させ,人口88万9000(1995)の城南市をつくったが,住民の多くはソウル市に職場を得ている。
[各地域の特徴]
 ソウルは区制がとられており,25区(1996現在)ある。…

※「城南」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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