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実験医学序説 じっけんいがくじょせつ

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百科事典マイペディアの解説

実験医学序説【じっけんいがくじょせつ】

C.ベルナールの著書。1865年刊。医学の研究にも観察のみでなく実験を取り入れなければならないとし,生物(生命)を対象とする医学実験にはどのような注意が必要かを述べたもの。

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世界大百科事典 第2版の解説

じっけんいがくじょせつ【実験医学序説 Introduction à l’étude de la médecine expérimentale】

フランスの生理学C.ベルナールの著書。生物と無生物とは,ちがった科学原理で支配されているとする生気論が登場していたフランス生理学界にあって,実証的思考を導入して実験を重視したF.マジャンディに師事し,実験生理学研究を推進してその後任者(1855年コレージュ・ド・フランスの医学正教授)になったベルナールが1860年,健康を害して郷里で約2年間静養中に,過去20年余にわたる研究をふまえて,実験的医学研究の方法論を執筆したのが本書で,65年パリで出版された。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

実験医学序説
じっけんいがくじょせつ

フランスの生理学者C・ベルナールの著作。1865年刊。原題はIntroduction l'tude de la mdecine exprimentale。R・L・C・ウィルヒョーの『細胞病理学』、C・ダーウィン『種の起原』とともに、19世紀の医学・生物学の重要な古典の一つ。「実験的推理」「生物における実験」「生命現象の研究に対する実験的方法の応用」の3部からなっている。
 第1部では、実験は科学者と自然との間に行われる対話である。観察された事実が構想(仮説)を生み、この構想のうえに推理し実験し、その結果を観察して仮説を修正する。こういう手続によって現象のおこる条件(原因)を解明することが科学の目的であるとし、第2部では、因果の秩序(デテルミニスム)は、無生物におけると同じように生物の世界にも成り立っている。ヒトや高等動物の生理・病理の条件は複雑であり、とくに、細胞を取り巻く内界(内部環境)への十分な顧慮が必要であるが、終局的には、生体の現象も物理・化学的な諸条件に帰着する、と述べ、第3部では、膵液(すいえき)の脂肪消化作用、肝臓のグリコーゲン生合成など、彼の業績が、第1、第2部の裏づけとして追想される。さらに、病理学、治療学が、経験ではなく、実験的デテルミニスムを基礎としなければならない、と説く。
 本書はフランスの思想界に大きな影響を与え、その一つとしてE・ゾラの自然主義小説を生んだ。H・ベルクソンは、本書をデカルトの『方法序説』に並ぶものとした。[梶田 昭]
『三浦岱栄訳『実験医学序説』(1961・東京創元社)』

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世界大百科事典内の実験医学序説の言及

【生理学】より

…近代生理学は,18世紀のW.ハーベーによる血液循環の研究に始まり,A.vonハラーその他の人々によって基本的な枠組みがつくられ,19世紀に入ると,J.ミュラーやC.ベルナールらによって実験生理学が開かれた。とくにベルナールの《実験医学序説》(1865)は今なお一般生理学の古典である。 生理学はそれ自身の発展と生物学,医学の分化に伴って,やがて病的状態を扱う病理学と分かれ,機能を探る学問として形態学と分かれ,さらにおもに物理的手法に依存するものとして生化学と分かれた。…

【ゾラ】より

…遺骸は08年にパンテオン廟に葬られた。 ゾラはクロード・ベルナールの《実験医学序説》(1865)の強い影響を受け,小説家は主観を排し,試験管の中の物質の化学反応を見る科学者の眼で,社会環境という試験管の中に投げこまれた人間が,その遺伝素質に従ってどのように変化するかを観察すべきだ,と考えた。しかし実作においては彼の想像力は理論や法則をこえ,19世紀後半のフランス社会,とくに下層労働者の生活,群衆の姿,あるいは破壊的要素としての性衝動などをみごとに描き出している。…

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