客体(読み)きゃくたい

大辞林 第三版の解説

かくたい【客体】

きゃくたい【客体】

(「客観」が多く認識論的意味で用いられるのに対し、どちらかと言えば存在論的・倫理学的意味で)行為・実践の対象となるもの。 ⇔ 主体

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精選版 日本国語大辞典の解説

かく‐たい【客体】

〘名〙
① 主体の意思や行為の対象となる事物。また、人間精神以外の物質や自然。対象。客観。きゃくたい。⇔主体。〔辞林(明治四〇年版)(1907)〕
※大辞典(1912)〈山田美妙〉「かくたい(客体)名 すべて、主位に対してその客位に在る物体」
② 法律で、意思または行為の及ぶ目的物。きゃくたい。
※閑耳目(1908)〈渋川玄耳〉愚なる法律試験問題「法律関係や主体客体(カクタイ)の吟味には今少し本気な出題が能(で)きさうなものだ」

きゃく‐たい【客体】

〘名〙 主体の意志や行為の対象となる物。意志や行為が及ぶ目的物。かくたい。⇔主体。〔辞林(明治四〇年版)(1907)〕
※閑耳目(1908)〈渋川玄耳〉都鳥と法律問題「法律上の主体客体(キャクタイ)如何の事に考を及ぼせば直く了解する問題なり」
[補注]「客観」は主に認識作用が向けられる対象をいい、「客体」は主に行動が向けられる対象をいう。

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世界大百科事典内の客体の言及

【西洋哲学】より

…この〈ヒュポケイメノン〉がラテン語ではsubjectum(下に投げ出されてあるもの)と訳され,〈シュンベベコス〉がaccidens(偶有性)と訳されて,〈基体‐属性〉というこのとらえ方は中世のスコラ哲学や,さらには近代哲学にもそのまま受けつがれてゆくのである。
【主観‐客観と主体‐客体】
 〈ヒュポケイメノン〉のラテン訳であるsubjectumという言葉は,スコラ哲学や近代初期の哲学においては,それ自体で存在し,もろもろの作用・性質・状態を担う〈基体〉という意味で使われていた。ホッブズやライプニッツは魂をsubjectumと呼んでいるが,それも感覚を担う基体という意味においてであり,そこには〈主観〉という意味合いはない。…

※「客体」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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