宮城県沖地震(読み)ミヤギケンオキジシン

デジタル大辞泉 「宮城県沖地震」の意味・読み・例文・類語

みやぎけんおき‐じしん〔‐ヂシン〕【宮城県沖地震】

昭和53年(1978)6月12日宮城県沖で発生したマグニチュード7.4の地震。宮城県を中心に、山崩れや道路損壊のほか、新興開発地での被害が目立った。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「宮城県沖地震」の意味・わかりやすい解説

宮城県沖地震
みやぎけんおきじしん

(1) 1978年6月12日午後5時14分頃に発生したマグニチュードM)7.4の地震。気象庁による正式名称は「1978年宮城県沖地震」。震源北緯 38°09′,東経 142°10′,深さ40km。仙台福島水戸などで震度 5 ,東京,横浜,盛岡帯広などで震度 4を観測した。被害の概要は,死者 28人,負傷者 1325人,家屋全壊 1183棟,半壊 5574棟。死者のうち 18人はブロック塀などの倒壊による圧死であった。
(2) 宮城県の沖合いで繰り返し発生する大地震。この海域では,寛政5(1793)年1月7日のM8.2程度の地震以降,1978年6月12日のM7.4の地震まで,6回の M7.5程度の地震がほぼ 40年間隔で起こったことが知られていた。このため地震調査委員会では,近い将来に宮城県沖地震の発生する確率が高いとして注意していた。東北地方太平洋沖地震が発生する 2日前の 2011年3月9日,この海域付近で M7.3の前震が発生した。その後の本震もこの海域で始まり,M9の巨大地震へとつながった。

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百科事典マイペディア 「宮城県沖地震」の意味・わかりやすい解説

宮城県沖地震【みやぎけんおきじしん】

1978年6月12日に発生した,宮城県沖を震源とするマグニチュード(M)7.4の地震。正式には1978年宮城県沖地震。地震の規模は大きくないが,地震振動によって鉄筋の入っていないブロック塀などが倒壊して28人の死者がでた。また6000戸をこえる家屋が全半壊したが,それらの多くが新興住宅地に集中し,宅地造成の工事方法の問題点が明らかになった。さらに仙台の市街地ではガス・水道・通信網などの被害が大きく,都市型の地震災害として話題になった。

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世界大百科事典(旧版)内の宮城県沖地震の言及

【地震】より

…869年(貞観11),1611年(慶長16),1677年(延宝5),1896年,1933年の各年に起こったものは特に大きく,沿岸に大津波による大災害をもたらした(三陸沖地震)。これらはM8をこえているが,M7クラスでも海岸に近いと,例えば1978年宮城県沖地震(M7.4)のように,地震動による被害が避けられない。東北地方内陸部から日本海岸の沖合にかけても,1833年(天保4)の庄内沖地震,1896年陸羽地震(M7.2),1983年日本海中部地震(M7.7)など,M7.0~7.7程度の大地震がいくつか知られている。…

【仙台[市]】より

…第2次大戦の戦災により市の中心部を消失したが,1957年の仙塩地域の総合開発特定地域への指定,64年の仙台湾地区の新産業都市への指定を契機に,仙台市は地域開発の拠点および東北地方の中核都市へと発展した。一方,78年6月の宮城県沖地震は,現代都市のもつもろさを浮彫りにした。 仙台市の産業別就業人口比(1990)は,第1次産業1.9%,第2次産業20.5%,第3次産業77%で典型的な消費都市といえる。…

※「宮城県沖地震」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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