兵庫県西部、宍粟郡(しそうぐん)にあった旧町名(千種町(ちょう))。現在は宍粟市の北西部を占める一地区。1960年(昭和35)千種村が町制施行。2005年(平成17)千種町は一宮(いちのみや)、波賀(はが)、山崎(やまさき)の3町と合併して市制施行、宍粟市となる。千種川の上流域、中国山地にあり、旧町域の大部分は山地である。国道429号が通じる。古代から砂鉄を産し、千草鉄はその品質で知られ、近世には天領として生産が続けられた。高保木(たかほぎ)のたたら跡や天児屋(てんごや)鉄山跡など製鉄関係の遺跡が多く、「たたらの里学習館」に資料が展示されている。農林業が中心で、キュウリ、菜豆(さいとう)(インゲンマメ)、シイタケ、そうめんなどを産する。千種川のアユ・アマゴ釣りなど観光にも力を注いでいる。氷ノ山後山那岐山国定公園(ひょうのせんうしろやまなぎさんこくていこうえん)域の三室(みむろ)高原青少年野外活動センターはキャンプの好適地である。また、ちくさ高原にはスキー場がある。
[大槻 守]
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