寓言(読み)グウゲン

デジタル大辞泉 「寓言」の意味・読み・例文・類語

ぐう‐げん【×寓言】

他の物事にことよせて意見教訓を述べた言葉。たとえ話。

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精選版 日本国語大辞典 「寓言」の意味・読み・例文・類語

ぐう‐げん【寓言】

〘名〙
① 他の物事に仮託して、高遠思想や教訓を述べた説話。→寓話
河海抄(1362頃)一「其おもむき荘子の寓言におなじき物か」 〔史記‐老荘申韓伝〕
西山宗因にはじまり、岡西惟中の「俳諧蒙求」で展開主唱された、談林派の代表的な俳論。荘子の「寓言」こそ俳諧本質であると力説したが、荘子の思想の本質をとらえるには至らず、用語や素材、表現面での受容にとどまった。実作の上では奇抜滑稽虚構、比喩的表現などをいう。

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改訂新版 世界大百科事典 「寓言」の意味・わかりやすい解説

寓言 (ぐうげん)

俳諧用語。中国古代の哲学者荘子の寓言論を,〈源氏物語寓言説〉にならって俳諧に適用し,非論理の滑稽を事とする談林俳諧を理論的に裏付けようと試みたもの。主唱者岡西惟中(いちゆう)の《俳諧蒙求(もうぎゆう)》(1675)に,〈大小をみだり,寿夭をたがへ,虚を実にし,実を虚にし,是なるを非とし,非なるを是とする荘子が寓言(略)全く俳諧の俳諧たるなり〉とあり,日常的な価値観の逆転が生み出す滑稽を俳諧の本質とみたらしいが,上記に続けて〈しかあれば,思ふままに大言をなし,かいでまはるほどの偽を言ひ続くるを,この道の骨子と思ふべし〉と述べることからもうかがわれるとおり,惟中の寓言理解は表現の皮相にとどまっていたかに思われる。また寓言説に基づく惟中の俳論は,あまりにも衒学(げんがく)的で,現実への対応に欠ける面が大きかったため,世俗の人情を重んじる西鶴らの俳諧観とは相いれず,やがて確執へと発展した。
虚実
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普及版 字通 「寓言」の読み・字形・画数・意味

【寓言】ぐうげん

たとえ話。〔史記、荘周伝〕其の學(うかが)はざる無し。然れども其の老子の言に本歸す。故に其の書十餘言、大抵ね寓言なり。

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