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小歌踊(り) コウタオドリ

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デジタル大辞泉の解説

こうた‐おどり〔‐をどり〕【小歌踊(り)】

民俗芸能の一。中世から近世初期に流行した小歌に合わせて踊る風流(ふりゅう)踊り。新潟県柏崎市の綾子舞、東京都西多摩郡奥多摩町の鹿島踊りなどが有名。

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世界大百科事典 第2版の解説

こうたおどり【小歌踊】

風流(ふりゆう)踊(風流)の一種。室町時代から江戸初期にかけて,当時流行した小歌に合わせて踊ったもので,各地に流行し民俗芸能化した。祭りや盆に踊られるほか,雨乞いや災厄送りの行事にも登場した。美しく着飾った踊子が輪になったり,列を組んだりして踊る。太鼓を打ちはやすものもあり,綾竹や棒,花枝などの採物(とりもの)を扱いながら踊るものもあるが,歌詞が違っても同じ振りを繰り返す形が多い。初期の歌舞伎踊に取り入れられて歌舞伎の母体の一つとなった。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

小歌踊
こうたおどり

民俗芸能の風流(ふりゅう)踊に属するもので、室町後期から江戸中期にかけて流行した小歌(民間の叙情的歌謡)にのって踊る踊り。このような小歌を取り込んだ風流踊は、太鼓踊、雨乞(あまごい)踊、念仏踊、盆踊など多方面に及んでいるが、小歌踊では歌謡をもっぱら小歌に集中し、舞踊形式は手踊や扇踊を主体にして、歌謡のもつ叙情的ムードを踊りによってよりよく表現しようとする。全国的に広く散在するが、次の三つが代表的である。
(1)綾子舞(あやこまい)(新潟県柏崎市女谷(おなだに)) 2~3名の少女による踊り。小原木踊、堺(さかい)踊、常陸(ひたち)踊、日蔭(ひかげ)踊、田舎下(いなかくだ)り踊、松虫踊、因幡(いなば)踊、恋の踊、塩汲(しおくみ)踊、錦木踊、小切子(こきりこ)踊の伝承11曲(現行7曲)中、松虫踊を除いた10曲が女かぶき踊の曲目と一致する。
(2)小河内(おごうち)の鹿島(かしま)踊(東京都西多摩郡奥多摩町) 女装した6名の青年による踊り。やはり11曲伝存するが、小倉(小原木踊)、浜が崎(塩汲踊)、こきりこ、の3曲が綾子舞と一致する。
(3)篠原(しのはら)踊(奈良県五條(ごじょう)市大塔(おおとう)町篠原) 扇を持った女性と締(しめ)太鼓を持った男性の集団の打組踊。曲目は36あり、うち数曲が綾子舞、鹿島踊と共通。いずれも伴奏に三味線が入らず、まだ三味線伴奏以前の、初期の女かぶき踊の形態をとどめている。踊りは基本的に、出端(では)、本歌、入端(いりは)の3段階からなり、この形式は沖縄の古典舞踊、とくに女踊にもみることができるものである。[西角井正大]

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世界大百科事典内の小歌踊(り)の言及

【踊り】より

…舞が選ばれた者や特別な資格を持つ者が少人数で舞うのに対し,踊りはだれでもが参加できるため群をなす場合が多く,場も特殊な舞台を必要としない。近世以前には腰鼓や編木(びんざさら)を奏しつつ躍る田楽躍,鉦(かね)や念仏でおどる踊念仏,小歌を誦する小歌踊,飾りや歌にくふうをこらした風流(ふりゆう)踊などがあり,用いる楽器により太鼓踊,羯鼓(かつこ)踊,銭太鼓踊,採物(とりもの)や被(かぶ)り物の違いにより棒踊,傘踊,笠踊,灯籠踊,綾踊,コキリコ踊,目的の違いにより盆踊,七夕踊,田植踊,雨乞踊,形態によって鹿(しし)踊,七福神踊などさまざまな名称で呼ばれる。なお近世の歌舞伎舞踊は舞と踊りの要素を巧みに融合させた舞台芸能であるが,踊りの要素が濃い部分はとくに踊り地と称し,最後の華やかな多勢の手踊りなどを総踊りともいう。…

【民俗芸能】より

…長年全国を踏査して多くの研究成果をあげた本田安次(1906‐ )は,これを整理して次のような種目分類を行った。 (1)神楽 (a)巫女(みこ)神楽,(b)出雲流神楽,(c)伊勢流神楽,(d)獅子神楽(山伏神楽番楽(ばんがく),太神楽(だいかぐら)),(2)田楽 (a)予祝の田遊(田植踊),(b)御田植神事(田舞・田楽躍),(3)風流(ふりゆう) (a)念仏踊(踊念仏),(b)盆踊,(c)太鼓踊,(d)羯鼓(かつこ)獅子舞,(e)小歌踊,(f)綾踊,(g)つくりもの風流,(h)仮装風流,(i)練り風流,(4)祝福芸 (a)来訪神,(b)千秋万歳(せんずまんざい),(c)語り物(幸若舞(こうわかまい)・題目立(だいもくたて)),(5)外来脈 (a)伎楽・獅子舞,(b)舞楽,(c)延年,(d)二十五菩薩来迎会,(e)鬼舞・仏舞,(f)散楽(さんがく)(猿楽),(g)能・狂言,(h)人形芝居,(i)歌舞伎(《図録日本の芸能》所収)。 以上,日本の民俗芸能を網羅・通観しての適切な分類だが,ここではこれを基本に踏まえながら,多少の整理を加えつつ歴史的な解説を行ってみる。…

※「小歌踊(り)」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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