小西重直(読み)コニシシゲナオ

デジタル大辞泉 「小西重直」の意味・読み・例文・類語

こにし‐しげなお〔‐しげなほ〕【小西重直】

[1875~1948]教育学者。山形の生まれ。労作教育論を唱える。七高校長・京大総長を歴任するが、滝川事件辞任著作に「教育本質観」「労作教育」など。

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精選版 日本国語大辞典 「小西重直」の意味・読み・例文・類語

こにし‐しげなお【小西重直】

  1. 教育学者。文学博士。山形県米沢の富所(とんどころ)家に生まれ、のち会津の小西家の養子となる。東京帝大哲学科卒。広島高師教授、第七高校長、京都帝大教授、同総長を歴任。のち千葉工大学長。ペスタロッチ私淑し、敬・愛・信の実践を説いた。著書に「教育の本質観」「広瀬淡窓」など。明治八~昭和二三年(一八七五‐一九四八

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「小西重直」の意味・わかりやすい解説

小西重直
こにししげなお
(1875―1948)

教育学者。明治8年1月15日山形県米沢(よねざわ)の富所(とんどころ)家に生まれ、11歳のとき小西家の養嗣子(ようしし)となる。幼名代吉。会津日新館、福島県尋常中学校、第二高等学校を経て東京帝国大学哲学科で教育学を専攻。卒業後1902~1905年(明治35~38)ドイツ、イギリス、アメリカに留学。帰国後、広島高等師範学校教授、文部省視学官、第七高等学校校長を経て、1913年(大正2)京都帝国大学文学部教育学教授法講座の担当教授となる。1933年(昭和8)3月京大総長に就任したが、滝川事件により6月辞任。その教育哲学は和洋の教育思想、とくにペスタロッチの影響を受け、晩年には広瀬淡窓(たんそう)にひかれ、「至誠真実」の顕現としての「敬愛信」を教育の根本精神とし、教育の本質として労作教育を重視した。主著に『学校教育』(1908)、『教育の本質観』(1930)、『労作教育』(1930)、『広瀬淡窓』(1943)などがある。昭和23年7月21日没。

[小股憲明]

『『小西博士全集』全5巻(1935・玉川学園出版部)』『加藤仁平著『小西重直の生涯と思想』(1967・黎明書房)』

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20世紀日本人名事典 「小西重直」の解説

小西 重直
コニシ シゲナオ

大正・昭和期の教育学者 京都大学名誉教授



生年
明治8年1月(1875年)

没年
昭和23(1948)年7月21日

出生地
山形県米沢

旧姓(旧名)
富所 代吉

別名
前名=小西 大吉

学歴〔年〕
東京帝大哲学科〔明治34年〕卒

学位〔年〕
文学博士〔大正2年〕

経歴
ドイツに留学、フォルケルトに師事、教育学を研究。帰国して広島高等師範学校教授、文部省視学官、第七高等学校造士館長兼教授、大正2年京都帝大文学部教授、昭和2年文学部長兼成城学園総長。8年京大総長となったが、滝川事件で辞任、名誉教授。のち私立千葉工業大学長。著書「最新女子教育学」「学校教育」「労作教育」「小西博士全集」(全5巻)がある。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「小西重直」の意味・わかりやすい解説

小西重直
こにししげなお

[生]1875. 米沢
[没]1948.7.2. 東京
教育学者。 1898年東京大学哲学科卒業後,欧米に留学し,帰国後広島高等師範学校教授,第七高等学校長などを経て,1913年京都大学教授,のち総長。その教育学は教育精神の神髄を信に基づく敬愛に求め,自己の生活と教育実践によって発展させた人格教育学,体験の教育学,生命の教育学であり,成城学園,玉川学園などの労作教育に影響を与えた。著書に『教育の本質観』 (1930) ,『労作教育』 (31) など。『小西博士全集』 (35) がある。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「小西重直」の解説

小西重直 こにし-しげなお

1875-1948 明治-昭和時代の教育学者。
明治8年1月15日生まれ。広島高師教授などをへて大正2年京都帝大教授。昭和8年総長となるが,滝川事件で辞任。ペスタロッチや広瀬淡窓に関心をよせ,労作教育論をとなえた。昭和23年7月21日死去。74歳。山形県出身。東京帝大卒。旧姓は富所(とんどころ)。幼名は代吉。著作に「教育の本質観」「労作教育」など。

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