デジタル大辞泉 「屍」の意味・読み・例文・類語 かばね【×屍/×尸】 1 死体。また、死体の骨。しかばね。なきがら。「―を葬る」「海行かば水浸みづく―」〈万・四〇九四〉2 「尸冠しかばねかんむり」の異称。[類語]死体・死骸・遺体・遺骸・死屍・亡骸・屍しかばね・むくろ し‐かばね【×屍/×尸】 《「死にかばね」の意》1 死んだ人のからだ。死骸。「野に―をさらす」「生ける―」2 「尸冠しかばねかんむり」の略。[類語]死体・死骸・遺体・遺骸・死屍・亡骸・屍かばね・むくろ し【屍】[漢字項目] [音]シ(呉)(漢) [訓]かばね しかばね死体。しかばね。「屍骸しがい・屍体・屍斑しはん/検屍・死屍」 し【×屍/×尸】 しかばね。死体。 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「屍」の意味・読み・例文・類語 し‐かばね【屍・尸】 〘 名詞 〙 ( 「死にかばね」の意 )① 死体。死骸(しがい)。なきがら。かばね。〔日葡辞書(1603‐04)〕[初出の実例]「屍(シカバ)ねを路径にさらさんよりは」(出典:信長記(1622)一五上)② =しかばねかんむり(尸冠)〔落葉集(1598)〕屍の語誌①は「宇津保物語‐吹上下」や「宇治拾遺物語‐六」などにも、伝本によっては、この語が認められるが、いずれも近世初頭の書写もしくは刊行の時期の形を反映したものである可能性があり、確例とはしがたい。近世に入ると、「かばね」や「しがい」とほぼ同等の意味で、擬古文体の作品に多くの例が見出されるようになる。 し【屍・尸】 〘 名詞 〙 死人のからだ。しかばね。なきがら。死骸。[初出の実例]「尸 シ カハネ」(出典:色葉字類抄(1177‐81))[その他の文献]〔史記‐伍子胥伝〕 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
普及版 字通 「屍」の読み・字形・画数・意味 屍9画 [字音] シ[字訓] しかばね・むくろ[説文解字] [字形] 会意尸(し)+死。〔説文〕八上に「なり」とあり、葬るべき屍体をいう。死してなお葬らぬときは尸(かたしろ)を立てることがなく、それで屍を尸主という。〔礼記、曲礼下〕に「牀に在るを屍と曰ふ」とみえる。死は残骨を拝する形。尸・屍の二字は通用することが多く、〔周礼、春官、大司楽〕に「屍の出入するときは、則ち肆夏(しか)(楽曲の名)を奏せしむ」とあるのは、尸の意である。屍は尸に死を加えて、尸主である尸と字形を区別したものである。[訓義]1. しかばね、なきがら、むくろ。2. 尸と通じ、かたしろ。3. 死と通じ、しぬ。[古辞書の訓]〔名義抄〕屍 カバネ・フス・イタム 〔字鏡集〕屍 シニカバネ・カバネ・イタム[語系]屍・尸sjieiは同声。屍は終主、尸は尸主の意。死sieiは残骨を拝する形。(葬)は草間においてそのことを行う意で、複葬の礼を示す字である。[熟語]屍解▶・屍骸▶・屍格▶・屍諫▶・屍柩▶・屍骨▶・屍山▶・屍霊▶[下接語]裹屍・屍・検屍・行屍・死屍・積屍・陳屍・転屍・伏屍・夢屍 出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報