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屎尿処理 しにょうしょり

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百科事典マイペディアの解説

屎尿処理【しにょうしょり】

糞(ふん)尿を浄化処理すること。下水道の完備した地域では水洗便所により流下されるが,未完備の市街地では市町村等の地方自治体によりバキュームカー等でくみ取り運搬され屎尿処理施設に送られる。

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世界大百科事典 第2版の解説

しにょうしょり【屎尿処理】

人間が排泄(はいせつ)する大便と小便を屎尿または糞尿と呼んでおり,これを処理することを屎尿処理という。もともとは人間の住む近くの環境に排泄し,自然の浄化力にまかせていたのであるが,人口密度が大きくなると環境衛生上そのようなことができなくなり,屎尿を収集するようになる。日本では昭和20年代までは屎尿を肥料として用いていたため,収集したものの多くは農地に還元されていた。その後,化学肥料の普及とともに屎尿をもっていくところがなくなり,山地や海洋に投棄するようになった。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

屎尿処理
しにょうしょり
night soil treatment

人間の排泄(はいせつ)物である屎尿を集めて処理すること。1人1日当りの屎尿排泄(はいせつ)量は約1~1.5リットル程度であるが、体重、食事内容、気候風土によって変化する。日本人の場合、屎尿の平均的性状は、1リットル当りBOD5(生物化学的酸素要求量)13.5グラム、COD(化学的酸素要求量)7.0グラム、浮遊物量21.0グラム、総窒素5.0グラム、塩素イオン5.5グラム、リン酸1.0グラム、一般細菌数105~107個、大腸菌数103~104個となる。
 日本では屎尿を農業還元利用する方法が古来より発達してきたが、第二次世界大戦後、化学肥料の導入や、屎尿還元による寄生虫問題などから農業還元が中止されると同時に、処理処分の深刻な問題が発生した。下水道整備が遅れていたために、バキューム車などで各戸から生屎尿を回収する技術が普及したが、最初は海洋投棄処分を中心に行った。しかし、内陸部の自治体や都市部の自治体は屎尿処理が必要となり、日本で独自に処理技術を発達させてきた。下水処理の分野では下水汚泥を嫌気性消化法により処理する技術が発達していたが、この方法を応用して屎尿を嫌気性処理した。しかし、処理水になお高いBODなどが残るので、さらに好気性処理方法の一つである活性汚泥処理が付加されるようになり、この方法が日本の標準的屎尿処理として全国に普及した。ほかに嫌気性消化+散水濾床(ろしょう)法、好気性消化+活性汚泥法などの処理法も開発されたが、処理水の放流先が稲作のための農業用水路であったり、淡水漁業が行われていたり、湖沼などの閉鎖性水域であると、アンモニアなどの窒素除去が必要となってきた。このためにBOD除去を目的とする従来の方法から、BODと窒素を同時除去する処理法へと大きな技術革新が生じた。この新しい技術の原理は、欧米での下水処理の研究から生み出されたものであるが、日本の屎尿処理分野がその実用化をいち早く進めてきた。この方法は、活性汚泥法を改良して脱窒素反応(BODと硝酸、亜硝酸が反応して窒素ガスを生成)と硝化反応(アンモニアを亜硝酸、硝酸に酸化)を組み合わせたものである。さらに水域の富栄養化防止のためにリン除去の必要がある場合、薬品を利用して凝集沈殿処理を付加している。また処理水が茶褐色に着色するので、オゾン処理で脱色し、見た目からの屎尿処理に対する抵抗感をなくしている。
 現在では、屎尿処理施設を新しく改築する場合、環境対策(悪臭、騒音、景観)に注意が払われ、高度処理が実施されるようになった。日本の屎尿処理の水準は下水処理のそれより高度化しており、世界中でも特異に発達した状況にある。日本と同じように屎尿処理を実施している国は韓国、台湾、中国、インドなどの一部の国で、他の国々は屎尿処理はせず、下水処理をどのように実施するかという問題になっている。[松井三郎]

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世界大百科事典内の屎尿処理の言及

【下肥】より

…近世になって封建都市が形成され人口が増加すると,市民の出す屎尿は周辺農村において肥料として広く利用されてきた。都市人口が数千から数万,数十万と人口集中されてくると,多量の屎尿処理は行政担当者の重要な政治課題の一つとなった。周辺農村で商品作物,ことに米作や野菜栽培にこれを有効肥料として利用するに及んで,屎尿肥料は商品化し,その代金をめぐって町方と在方との争いとなった。…

※「屎尿処理」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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