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下肥 しもごえnight soil

翻訳|night soil

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

下肥
しもごえ
night soil

肥料として使う人糞尿のこと。新鮮な下肥料成分は,普通の日本人の場合,水分 95%,窒素 0.5~0.7%,リン酸 0.11~0.13%,カリウム 0.2~0.3%で,ほかに石,苦土,ケイ酸の少量と約1%の食塩から成っている。肥料として濃厚ではないが,速効性があり,基肥,追肥の両方に使われる。新鮮な下肥は作物に有害であり,衛生上も寄生虫などの危険があるので,貯蔵して腐熟を待ってから使用する。夏ならば1~2週間,冬ならば3~4週間で腐熟する。

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デジタル大辞泉の解説

しも‐ごえ【下肥】

人間の大小便を肥料にしたもの。

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百科事典マイペディアの解説

下肥【しもごえ】

自給肥料の一つ。人間の排泄(はいせつ)する糞(ふん)と尿の混合物。腐熟させて使用すると速効性があり元肥にも追肥にも使用された。食塩など各種塩類を含むため,連用すると酸性土壌になる。
→関連項目清浄栽培肥料

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世界大百科事典 第2版の解説

しもごえ【下肥】

糞尿(じんぷんによう)を肥料にしたもの。江戸時代から肥料としてたいせつに取り扱われるようになり,明治以降もこの状態が続き,第2次世界大戦中は販売肥料供給が制限されたためとくに重用された。しかし昭和30年代に入り,化学肥料普及とともに使用は急減した。現在,都市の人糞尿は汚水処理場で処理され(屎尿(しによう)処理),処理されたものの肥料化が試みられている。新しい糞尿は農作物に有害であるだけでなく,病原菌や寄生虫卵が混入しているおそれがあり非衛生的なので,一定期間腐熟させてから用いる。

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大辞林 第三版の解説

しもごえ【下肥】

人の糞尿を肥料としたもの。こやし。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

下肥
しもごえ

人糞尿(じんぷんにょう)を腐熟させたもので、日本では江戸時代以降よく使われるようになり、とくに速効性肥料の乏しかった第二次世界大戦のころには重要な窒素肥料であった。しかし化学肥料の普及により、都市部はいうに及ばず農村においてもほとんど使用されず、廃棄処理に苦労するようになった。現在は下水処理システムから生ずる汚泥となり、その一部が肥料として施用されている。下肥中の成分組成は人種、年齢または都市・農村居住者などの違いによって異なるが、窒素0.5~0.7%、リン酸0.1~0.2%、カリ(カリウム)0.2~0.3%程度を含み、このほか約1%の食塩、少量の石灰、苦土(酸化マグネシウム)、ケイ酸を含んでいる。夏の高温時で1~2週間、冬の低温時で3~4週間貯蔵腐熟させたのち、2、3倍に薄めて施用する。かつて東京、大阪などの大都市近郊の野菜畑では、下肥の連用によって土壌が酸性となり、生育障害の発生がみられた。これは、下肥中に含まれる食塩の作用によっておこるものである。[小山雄生]
『野崎信夫著『自給肥料堆肥・緑肥・下肥の作り方と与へ方』(1946・遠藤書店) ▽加藤貴編『大江戸歴史の風景』(1999・山川出版社) ▽礫川全次編『厠と排泄の民俗学』(2003・批評社)』

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世界大百科事典内の下肥の言及

【糞】より

…ペルシア人もまた,パンの小麦を得るのに糞便を肥料としていた。ヘロドトスの《歴史》(巻三)に,エチオピア王がペルシア王カンビュセスからの使者に向かって,ペルシア人は糞便を常食とするから寿命が短いはずなのに,最高80年も生きられるのは酒で元気をつけるからだ,といった話があるが,これはエチオピア人が農耕を知らず,下肥を誤解したためである。 糞はまた,古代中国では豚など家畜の飼料としても利用された。…

※「下肥」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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