山藍(読み)ヤマアイ

デジタル大辞泉 「山藍」の意味・読み・例文・類語

やま‐あい〔‐あゐ〕【山藍】

トウダイグサ科多年草山地に群生し、高さ約40センチ。地下茎は白く、乾くと紫色になる。茎は角ばっていて、長楕円形の葉が対生雌雄異株。4~7月緑色小花穂状につける。昔、葉から染料をとったといわれる。やまい。
リュウキュウアイ別名

やまい〔やまゐ〕【山藍】

やまあい(山藍)」の音変化。
「あしひきの―にれる衣をば神につかふるしるしとぞ思ふ」〈拾遺・雑秋〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「山藍」の意味・読み・例文・類語

やま‐あい ‥あゐ【山藍】

〘名〙
① トウダイグサ科の多年草。本州、四国、九州の山地の樹林下に生える。高さ三〇センチメートルぐらい。葉は長柄もち対生。葉身は長楕円形で縁に鈍い鋸歯(きょし)がある。春、葉腋から淡黄緑色の単性花を穂状につけた花序を出す。果実は球形で径約六ミリメートル。古くは葉をしぼった液で、新嘗会の小忌衣(おみごろも)を染めるなど藍染料に用いた。漢名に山靛をあてる。やまい。
万葉(8C後)九・一七四二「紅の 赤裳裾引き 山藍(やまあゐ)もち 摺れる衣着て ただ独り い渡らす児は」
③ ①を染料として摺り染めること。山藍摺り。また、その色。山藍色。
源氏(1001‐14頃)若菜下「山あゐに摺れる竹の節は、松の緑にみえまがひ」

やまい やまゐ【山藍】

〘名〙 山藍(やまあい)の変化した語。和歌では、多く山井」に掛けて用いる。
貫之集(945頃)四「山ゐもてすれる衣の赤紐の長くぞわれは神につかへん」

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動植物名よみかた辞典 普及版 「山藍」の解説

山藍 (ヤマアイ・ヤマイ)

学名Mercurialis leiocarpa
植物。トウダイグサ科の多年草,薬用植物

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

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