中国、四川(しせん/スーチョワン)省中部、楽山(らくざん/ローシャン)市の西約40キロメートル、崑崙(こんろん/クンルン)山系邛崍(きょうらい)山脈南端の名山。三つの峰のうち万仏頂(3099メートル)が最高峰である。2世紀にここに寺院が建立され、唐代までは道教が主であったが、その後仏教化し、16世紀には仏教の聖地とされた。今日、さまざまな様式の寺院があるが、4世紀建立の万年寺は省の重要文化財。また、ここにある高さ9.1メートル、重さ約6.2トン、17世紀末の作とされる普賢菩薩(ふげんぼさつ)像は中国の重要文化財である。解放後、宿泊設備が設置され、多くの景勝地をもつこの山には毎年多数の人々が入山する。日の出、雲海、宝光(ブロッケン現象)、神灯(燐(りん)鉱石の光)はこの山の四大奇観である。この山は楽山市にある楽山大仏とともに1996年に世界遺産の複合遺産(文化、自然の両方の価値がある遺産)として登録されている(世界複合遺産)。
[小野菊雄]
出典 KNT近畿日本ツーリスト(株)世界遺産情報について 情報
「オーメイ(峨眉)山」のページをご覧ください。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…中国,四川省中部にある山。峨眉,蛾眉とも記す。頂上には金頂,千仏頂,万仏頂の3峰があり,万仏頂が3099mでもっとも高い。盆地より約2500mぬきんでているため山容は壮麗,植物相も豊かで,〈天下の名山〉とされる。金頂では御来迎のとき雲海に光輪と人影がうつる〈仏光〉もあらわれる。2世紀以降70余の寺院が建立され,16世紀には山西の五台山,浙江の天台山などとならんで仏教の聖地となり,光明山の名でも呼ばれる。…
※「峨眉山」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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