市川 段四郎(2代目)
イチカワ ダンシロウ
- 職業
- 歌舞伎俳優
- 本名
- 喜熨斗 亀次郎
- 別名
- 初名=市村 長松,前名=坂東 羽太作,山崎 猿之助,松尾 猿之助,市川 猿之助(イチカワ エンノスケ),俳名=笑楽,寿猿
- 屋号
- 沢瀉屋
- 生年月日
- 安政2年 7月21日
- 出生地
- 江戸・浅草馬道酉寺(東京都 台東区)
- 経歴
- 13代市村羽左衛門(後の5代菊五郎)の門弟となり、市村長松を名乗る。文久2年(1862年)市村座で大芝居初舞台。5代坂東彦三郎の門を経て、明治3年河原崎権之助(後の9代団十郎)の門に転じた。7年中島座で「勧進帳」を無断上演して破門され、旅芝居などを転々。13年大阪戎座、15年京都北側芝居、17年大阪中の芝居などで好評。19年帰京、21年吾妻座座頭となり、23年破門を許され、市川猿之助と改名。24年名題役者格に昇進、歌舞伎座の「出世景清」に出演したが、33年以降東京座に拠った。38年歌舞伎で「勧進帳」弁慶を演じた。40年同座幹部技芸委員、43年10月2代目市川段四郎を襲名した。当たり役は「勧進帳」弁慶、「在原系図」の蘭平、「忠臣蔵」平右衛門など。
- 没年月日
- 大正11年 2月6日 (1922年)
- 家族
- 父==坂東 三太郎(立師),長男=市川 猿之助(2代目 猿翁),三男=市川 中車(8代目),五男=市川 小太夫(2代目),孫=市川 段四郎(3代目)
市川 段四郎(3代目)
イチカワ ダンシロウ
- 職業
- 歌舞伎俳優
- 本名
- 喜熨斗 政則
- 別名
- 前名=市川 団子(2代目)
- 屋号
- 沢瀉屋
- 生年月日
- 明治41年 10月5日
- 出生地
- 東京市浅草区(東京都 台東区)
- 経歴
- 2代目市川猿之助(猿翁)の子。大正2年東京座で2代目市川団子の名で初舞台。昭和3年2代目市川左団次の訪ソ公演に同行。5年東京歌舞伎座で「鎌髭」の小藤太守郷をつとめ3代目段四郎を襲名、猿之助一座幹部として活躍。以後親子での「二人三番叟」「連獅子」は有名。26年以降東宝専属となった。38年5月歌舞伎座で父猿之助が猿翁と改名、長男の3代目団子が3代目猿之助を襲名した時、おしまいの3日間だけ口上に出たのが最後。
- 没年月日
- 昭和38年 11月18日 (1963年)
- 家族
- 父=市川 猿之助(2代目 猿翁),妻=高杉 早苗(元女優),長男=市川 猿之助(3代目),二男=市川 段四郎(4代目)
出典 日外アソシエーツ「新撰 芸能人物事典 明治~平成」(2010年刊)新撰 芸能人物事典 明治~平成について 情報
市川 段四郎(2代目)
イチカワ ダンシロウ
明治・大正期の歌舞伎俳優
- 生年
- 安政2年7月21日(1855年)
- 没年
- 大正11(1922)年2月6日
- 出生地
- 江戸・浅草馬道酉寺(東京都台東区)
- 本名
- 喜熨斗 亀次郎
- 別名
- 初名=市村 長松,前名=坂東 羽太作,山崎 猿之助,松尾 猿之助,市川 猿之助(イチカワ エンノスケ),俳名=笑楽,寿猿
- 屋号
- 沢瀉屋
- 経歴
- 13代市村羽左衛門(後の5代菊五郎)の門弟となり、市村長松を名のる。文久2年市村座で大芝居初舞台。5代坂東彦三郎の門を経て、明治3年河原崎権之助(後の9代団十郎)の門に転じた。7年中島座で「勧進帳」を無断上演して破門され、旅芝居などを転々。13年大阪戎座、15年京都北側芝居、17年大阪中の芝居などで好評。19年帰京、21年吾妻座座頭となり、23年破門を許され、市川猿之助と改名。24年名題役者格に昇進、歌舞伎座の「出世景清」に出演したが、33年以降東京座に拠った。38年歌舞伎で「勧進帳」弁慶を演じた。40年同座幹部技芸委員、43年10月2代目市川段四郎を襲名した。当たり役は「勧進帳」弁慶、「在原系図」の蘭平、「忠臣蔵」平右衛門など。
市川 段四郎(3代目)
イチカワ ダンシロウ
大正・昭和期の歌舞伎俳優
- 生年
- 明治41(1908)年10月5日
- 没年
- 昭和38(1963)年11月18日
- 出生地
- 東京市浅草区(現・東京都台東区)
- 本名
- 喜熨斗 政則
- 別名
- 前名=市川 団子(2代目)
- 屋号
- 沢瀉屋
- 経歴
- 2代目市川猿之助(猿翁)の子。大正2年東京座で2代目市川団子の名で初舞台。昭和3年2代目市川左団次の訪ソ公演に同行。5年東京歌舞伎座で「鎌髭」の小藤太守郷をつとめ3代目段四郎を襲名、猿之助一座幹部として活躍。以後親子での「二人三番叟」「連獅子」は有名。26年以降東宝専属となった。38年5月歌舞伎座で父猿之助が猿翁と改名。長男の3代目団子が3代目猿之助を襲名した時、最後の3日間だけ口上に出た後、死去した。
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報
市川段四郎 (いちかわだんしろう)
歌舞伎俳優。2世以降の屋号沢瀉(おもだか)屋。(1)初世(1651-1717・慶安4-享保2) 初世市川団十郎の高弟。元禄期の名優。のち僧侶となる。(2)2世(1855-1922・安政2-大正11) 立師坂東三太郎の子,9世団十郎の高弟。坂東羽太作,山崎猿之助,松尾猿之助を経て,1890年10月市川猿之助を名のる。1910年に段四郎と改名。舞踊,丸本歌舞伎を得意とし,渋い芸風。当り役は《俊寛》など。また,ケレンでも独自の境地を示した。(3)3世(1908-63・明治41-昭和38) 2世猿之助の長男。30年に段四郎を襲名。華々しい父の陰で地味な存在だった。(4)4世(1946(昭和21)- )3世の次男。3世猿之助の弟。69年段四郎を襲名。
執筆者:渡辺 保
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
市川段四郎(2代)
没年:大正11.2.6(1922)
生年:安政2.7.21(1855.9.2)
明治大正期の歌舞伎役者。2代目以降,沢瀉屋を屋号とする。俳名笑楽,寿猿。本名喜熨斗亀次郎。大部屋の頭で立師だった坂東三太郎の子として,江戸浅草馬道に生まれる。初名坂東羽太作。のちに9代目市川団十郎の弟子となり山崎猿之助(のちに初代市川猿之助)。一時破門されて松尾姓となるが,復帰して明治後期には歌舞伎界の重鎮のひとりとなった。明治43(1910)年に段四郎を襲名。下回りから出世した努力家だった。古格豊かな芸風で,「摂州合邦辻」の合邦など渋い立役や老役を得意としたが,舞踊やケレンも巧みで,古劇の知識も豊富であった。なお長男が2代目猿之助(最晩年に猿翁),その子が3代目段四郎を襲名。3代目猿之助・4代目段四郎兄弟はその子。<参考文献>「現代名優評伝」(『演芸画報』1918年3月号),3代目市川猿之助編『猿翁』
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報
市川段四郎【いちかわだんしろう】
歌舞伎俳優。4世まである。屋号沢瀉(おもだか)屋。2世〔1855-1922〕は9世市川團十郎の門弟。下級俳優から大幹部に出世し,立役(たちやく),敵役(かたきやく),舞踊を得意とした。長男が2世市川猿之助で,その長男が3世段四郎〔1908-1963〕。4世〔1946-〕は3世の次男で1969年襲名。
→関連項目沢瀉屋
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市川段四郎(2代) いちかわ-だんしろう
1855-1922 明治-大正時代の歌舞伎役者。
安政2年7月21日生まれ。立師(たてし)坂東三太郎の子。13代市村羽左衛門,7代河原崎権之助に入門。一時破門となるがゆるされ,初代市川猿之助をへて明治43年2代段四郎を襲名。立役(たちやく),老役(ふけやく),舞踊を得意とし,古典に通じた。大正11年2月6日死去。68歳。江戸出身。本名は喜熨斗(きのし)亀次郎。初名は坂東羽太作。俳名は笑楽。屋号は沢瀉(おもだか)屋。
市川段四郎(4代) いちかわ-だんしろう
1946- 昭和後期-平成時代の歌舞伎役者。
昭和21年7月20日生まれ。3代市川段四郎の次男。昭和32年初舞台。44年4代市川段四郎を襲名。兄の3代市川猿之助の古典歌舞伎復活に協力する。骨格のふとい役を中心に老役(ふけやく),敵役をつとめる。平成21年松尾芸能賞松尾国三賞。東京出身。慶大卒。本名は喜熨斗(きのし)弘之。初名は市川亀治郎(初代)。前名は市川団子(4代)。屋号は沢瀉(おもだか)屋。
市川段四郎(3代) いちかわ-だんしろう
1908-1963 大正-昭和時代の歌舞伎役者。
明治41年10月5日生まれ。2代市川猿之助の長男。大正2年初舞台。昭和3年2代市川左団次一座にくわわり訪ソ。5年3代を襲名。13年高杉早苗と結婚。26年東宝の専属俳優となる。昭和38年11月18日死去。55歳。東京出身。本名は喜熨斗(きのし)政則。初名は市川団子(2代)。屋号は沢瀉(おもだか)屋。
出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例
市川 段四郎 (いちかわ だんしろう)
生年月日:1908年10月5日
昭和時代の俳優
1963年没
出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
世界大百科事典(旧版)内の市川段四郎の言及
【橋弁慶】より
…現在行われているものは,1868年(明治1),3世[杵屋(きねや)勘五郎]が能の《橋弁慶》の詞章に長唄の節付けをしたもので,1912年4月東京歌舞伎座初演。演者は2世[市川段四郎],12世[片岡仁左衛門]。構成や扮装も能に準じた松羽目物。…
※「市川段四郎」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」