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市川猿之助 イチカワエンノスケ

デジタル大辞泉の解説

いちかわ‐えんのすけ〔いちかはヱンのすけ〕【市川猿之助】

歌舞伎俳優。屋号沢瀉屋(おもだかや)。
(2世)[1888~1963]東京の生まれ。晩年に猿翁を名乗る。劇団春秋座を結成、劇界の改新を図った。また多くの新舞踊・新歌舞伎を上演。
(3世)[1939~ ]3世市川段四郎の長男。外連(けれん)を駆使し、「スーパー歌舞伎」を作り上げた。2世猿翁。

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百科事典マイペディアの解説

市川猿之助【いちかわえんのすけ】

歌舞伎俳優。初世は2世市川段四郎の前名で,現在4世。屋号沢瀉(おもだか)屋。2世〔1888-1963〕は初世の長男。若いころ新劇運動に努力,1913年春秋座を創設。
→関連項目朝倉摂沢瀉屋

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世界大百科事典 第2版の解説

いちかわえんのすけ【市川猿之助】

歌舞伎俳優。屋号沢瀉(おもだか)屋。(1)初世 2世市川段四郎の前名。(2)2世(1888‐1963∥明治21‐昭和38) 2世段四郎の長男。1892年市川団子の名で東京歌舞伎座で初舞台。1910年猿之助を襲名。当時の歌舞伎界では珍しく中学に学び,進取気風をもって鳴らした。13年には吾声会,20年には前進座母胎となった春秋座を結成,1915年にはヨーロッパ外遊,数多くの新舞踊,新作歌舞伎を上演。

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大辞林 第三版の解説

いちかわえんのすけ【市川猿之助】

(二世)(1888~1963) 歌舞伎俳優。屋号沢瀉おもだか屋。晩年猿翁を名乗る。初世猿之助の長男。1920年(大正9)春秋座を結成し新劇運動を展開、また優れた新舞踊劇「虫」「独楽こま」「黒塚」などを創演した。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

市川猿之助
いちかわえんのすけ

歌舞伎(かぶき)俳優。屋号沢瀉屋(おもだかや)

初世

(1855―1922)4世坂東三津五郎(ばんどうみつごろう)の門弟で、殺陣師(たてし)の名人といわれた坂東三太郎の子。初め5世尾上(おのえ)菊五郎に入門したが、のち9世市川団十郎の弟子になり山崎猿之助と名のる。1874年(明治7)中島座で、歌舞伎十八番の『勧進帳』を師に無断で上演して破門され、松尾猿之助の名でもっぱら小芝居や各地方の芝居に出演していた。90年帰参を許されて市川猿之助と改め、師とともに歌舞伎座に出られるようになった。しかし、97年以後は小芝居の座頭(ざがしら)格の立者(たてもの)となって活躍。1910年(明治43)2世市川段四郎と改名した。[服部幸雄]

2世

(1888―1963)初世の長男。本名喜熨斗(きのし)政泰。東京生まれ。1910年(明治43)市川団子(だんこ)から2世猿之助を襲名した。2世市川左団次の自由劇場に出演、欧米演劇の視察旅行、劇団春秋座の結成、55年(昭和30)に訪中歌舞伎公演を実現するなど、生涯を通じて進歩的な気風を失わなかった。52年に芸術院賞を受け、55年に芸術院会員となった。63年、孫の団子に3世を継がせ、初世猿翁(えんおう)と名のった。『黒塚』『悪太郎』など、得意の舞踊を選び、「猿翁十種」を定めた。[服部幸雄]

3世

(1939― )2世の長男3世市川段四郎(1908―63)の長男。本名喜熨斗政彦。慶応義塾大学卒業。2世市川団子から1963年(昭和38)3世を襲名した。宙乗りや早替りなど、けれんを駆使する歌舞伎の復活や、古典歌舞伎の様式・演出・表現技法を使って、新しい作品をつくる「スーパー歌舞伎」(ヤマトタケル、リュウオー、オグリ)の創造に意欲と情熱を傾注している。また、オペラ『コックドール』の演出を手がけるなど、幅の広い活躍をしている。弟の弘之が4世市川段四郎(1946― )を継いでいる。[服部幸雄]
『3世市川猿之助著『演者の目』(1976・朝日新聞社) ▽3世市川猿之助著『猿之助の歌舞伎講座』(1984・新潮社) ▽3世市川猿之助著『猿之助修羅舞台』(1994・PHP文庫) ▽村松友・稲垣功一著『市川猿之助歌舞伎の時空』(1986・PARCO出版) ▽藤田洋著『猿之助歌舞伎ヨーロッパへ宙乗り』(1988・朝日新聞社)』

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