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広東住血線虫 カントンジュウケツセンチュウ

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デジタル大辞泉の解説

カントン‐じゅうけつせんちゅう〔‐ヂユウケツセンチユウ〕【広東住血線虫】

広東住血線虫症の原因となる線虫。体長はオスが20~25ミリ、メスが22~34ミリ。成虫はネズミ肺動脈に寄生する。幼虫はカタツムリナメクジタニシカエル、淡水産のエビ、陸棲のカニなどに寄生する。人には、これら中間宿主を介して経口感染する。人の体内に入った幼虫は、血液リンパ液とともに全身を回り、最終的に脊髄からに侵入して好酸球性髄膜脳炎を起こす。人に寄生した幼虫は成虫になることなく死滅する。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

広東住血線虫
かんとんじゅうけつせんちゅう
[学]Angiostrongylus cantonensis

線形動物門双腺(そうせん)綱円虫目に属する寄生虫。成虫はラッテ属のネズミ(ドブネズミやクマネズミなど)の肺動脈に寄生し、体長は雄で1.6~2センチメートル、雌で2.1~3センチメートル。ネズミの肺動脈で産出された卵は肺の毛細血管内で孵化(ふか)し、幼虫は肺胞内に出て気管から消化管を経てネズミの糞(ふん)とともに排出される。この幼虫が中間宿主のアフリカマイマイなどの陸貝に入り、一定の発育ののち固有宿主のネズミに食べられると、幼虫は中間発育場所の脳で成長し、その後、脳の静脈に入って心臓を経て肺動脈に移り成虫になる。
 陸貝に寄生する幼虫がヒトの体に入ると、普通脳までは到達するが肺動脈まで移行せず、成虫に発育することはない。しかし、固有宿主のネズミでは脳に幼虫が寄生しても症状が出ないのに、非固有宿主のヒトでは激しい好酸球性髄膜脳炎をおこす。現時点では有効な治療法はない。この線虫は、東南アジア、東インド諸島、オセアニア、マダガスカル島などに広く分布しており、日本でも沖縄(患者も発生)、奄美(あまみ)諸島、小笠原(おがさわら)諸島、東京港湾地区、北海道などに分布することが知られている。日本で普通にみられる陸貝(ウスカワマイマイ、チャコウラナメクジ、ノナメクジなど)も中間宿主になるので、今後分布を広げる可能性は十分考えられる。[町田昌昭]

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