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弘道館記述義 こうどうかんきじゅつぎ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

弘道館記述義
こうどうかんきじゅつぎ

弘道館記』の内容を藤田東湖が,藩主徳川斉昭の命により敷延,注釈したもの。『弘道館記』とは,水戸藩校弘道館の開校に際し,その教育方針を示すため,藩主斉昭が東湖起草を命じ,青山延于,会沢安,佐藤一斎らの意見を徴し,天保9 (1838) 年斉昭の名で公にした趣意書。『弘道館記』は「神儒一致,文武不岐,学問事業不殊其効」を主張し,斉昭時代の水戸学の精神を要約的に示している。東湖は起草の内命を受けて,弘化2 (45) 年 11月 11日起稿し,翌年正月晦日成稿豊田天功青山延光国友善庵,石河鉄次郎の評を得て訂正し,嘉永2 (49) 年「神聖の大道」である定稿を得た。上下2巻から成り,上巻は主として日本の道の淵源と道統を述べ,下巻は現実における道の顕現を意図したもの。東湖が畢生の力を注いだもので,水戸藩の尊王攘夷論の代表的著作として,幕末,明治期の思想に大きな影響を与えた。

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世界大百科事典 第2版の解説

こうどうかんきじゅつぎ【弘道館記述義】

藤田東湖の主著の一つ。1847年(弘化4)成稿。2巻。水戸藩の藩校弘道館(1841開館)の建学の趣旨を示した徳川斉昭撰の《弘道館記》(1838成稿)に,その草稿の作成者であった東湖が,命をうけて逐語的に注釈を加えたもので,敬神崇儒,尊王攘夷,忠孝無二,文武不岐,学問・事業の一致という後期水戸学の主要思想が集約的に提示されている。会沢正志斎の《新論》とともに水戸学を代表する著作である。なお,幕末に広く流通した〈尊王攘夷〉の言葉は《弘道館記》に始まるもののようである。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

弘道館記述義
こうどうかんきじゅつぎ

水戸藩の藩校弘道館の建学の旨意と綱領とを記した藩主徳川斉昭(なりあき)(せん)『弘道館記』の解説書。斉昭の命を受け藤田東湖(とうこ)が起草し、会沢正志斎(あいざわせいしさい)らの批評を受けて訂正を重ね、1849年(嘉永2)完成した。神儒合一思想のもと尊王攘夷(じょうい)の具現者として徳川家康の功業を高く掲げ、これを補翼するのを歴代水戸藩主の使命とし、それを守る水戸藩士の責務を熱烈に鼓吹した。会沢の『新論』とともに幕末水戸藩の尊王攘夷論を代表する著作として全国に喧伝(けんでん)され、維新の志士たちに広く愛読された。1866~67年(慶応2~3)木活字本上下2冊が刊行されたが、各地の藩校において教科書として用いられた例が少なくない。[山口宗之]
『尾藤正英他校注「弘道館記述義」(『日本思想大系53 水戸学』所収・1973・岩波書店)』

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