当番弁護士制度(読み)とうばんべんごしせいど

共同通信ニュース用語解説 「当番弁護士制度」の解説

当番弁護士制度

逮捕直後の容疑者から依頼を受けた弁護士留置場などに駆け付けて接見し、1度だけ無料相談に応じる制度。各弁護士会費用を負担し、登録している弁護士の中から毎日の割り当てを決める。依頼は容疑者本人のほか家族友人からも可能。所管の弁護士会が電話で受け付ける。接見した容疑者が希望した場合、引き続き私選国選弁護人を務めることができる。

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百科事典マイペディア 「当番弁護士制度」の意味・わかりやすい解説

当番弁護士制度【とうばんべんごしせいど】

被疑者や家族からの求めにより,各地の弁護士会が即日無料で弁護士を派遣する制度。全国の弁護士会で実施されている。初回の相談費用は弁護士会が負担し,その後の費用についても被疑者が無資力の場合は財団法人法律扶助協会からの援助を受けることができる。さらに被疑者本人からの要請がなくても,事件によっては弁護士会の自主的判断で当番弁護士を派遣する制度を導入しているところもある。被疑者には国選弁護人がつけられない現行制度を補充する目的で1990年代に弁護士会が自主的に創始したものだが,年々利用数は増加している。しかし,最近は財政的に逼迫してきており,起訴前弁護の定着のための何らかの政策的対応を求める声が高まっている。→法律扶助

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「当番弁護士制度」の意味・わかりやすい解説

当番弁護士制度
とうばんべんごしせいど

逮捕された容疑者や家族らの要請をうけ、電話1本で弁護士が警察署や拘置所にかけつけ、起訴前から弁護活動にあたる制度。最初の面会相談は無料で、依頼があればそのまま私選弁護人となる。1990年(平成2)9月に大分弁護士会が初めて導入、1992年10月に全国52のすべての弁護士会に広まった。日本弁護士連合会によると、捜査当局や裁判所などからも連絡が入る体制がつくられつつある。しかし、利用者の増加で財政的に弁護士会側が苦しく、また、弁護士が少ない地域では辺地の警察署にかけつけることがむずかしいという状況がある。

[編集部]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「当番弁護士制度」の意味・わかりやすい解説

当番弁護士制度
とうばんべんごしせいど

刑事事件で逮捕された被疑者やその家族の要求に応じ,常時待機中の弁護士がただちに被疑者のいる警察署や拘置所に接見に出向き,無料で法律相談に応じる制度。事件の早期における弁護人の防御活動が誤判ないし冤罪事件の防止のために重要であるにもかかわらず,被疑者には国選弁護人の請求権はない。そこで,捜査段階における弁護活動を充実させ誤判を防止することを目的として,イギリスの制度を参考に各弁護士会単位で実施されているのがこの制度である。

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