彼岸会(読み)ヒガンエ

デジタル大辞泉 「彼岸会」の意味・読み・例文・類語

ひがん‐え〔‐ヱ〕【彼岸会】

春秋の2回、彼岸の7日間に行われる法会寺院に参詣し、墓参などの仏事を行う。俳句では特に春についていう。 春》

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精選版 日本国語大辞典 「彼岸会」の意味・読み・例文・類語

ひがん‐え‥ヱ【彼岸会】

  1. 〘 名詞 〙 仏語春分秋分の日を中日として、その前後七日間にわたって行なう法会。大同元年(八〇六)、崇道天皇早良親王)の霊を慰めるために初めて行なわれた。《 季語・春 》
    1. [初出の実例]「彼岸会に里へ下ばや杖と足〈百猿〉」(出典:俳諧・類柑子(1707)上)

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百科事典マイペディア 「彼岸会」の意味・わかりやすい解説

彼岸会【ひがんえ】

彼岸の7日間行われる仏教の法会。彼岸とは涅槃(ねはん)の世界の意で,煩悩此岸(しがん)に対し,悟りの世界に至る願望(到彼岸)を表す。中日(ちゅうにち)の日没真西に当たるので,西方浄土を希求する願いが民俗と合した行事か。平安時代から行われ,江戸時代には年中行事化した。日本仏教のみの行事である。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「彼岸会」の意味・わかりやすい解説

彼岸会
ひがんえ

単に彼岸ともいう。追善儀礼などを主体とした仏教行事の一つ。春分,秋分の前後1週間に行う法会。インド,中国にはなく,日本にのみ行われる仏事で,僧侶は法要儀式をとり行い,在家信者は寺院に詣で,墓参する。起源については定かでないが,平安時代以後一般に行われるようになった。彼岸は梵語パーラミター pāramitāの訳で,「迷いの此岸から悟りの彼岸に到達すること」を意味する。春の彼岸を「先の彼岸」,秋の彼岸を「あとの彼岸」などともいい,「暑さ寒さも彼岸まで」などといわれる。

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「彼岸会」の解説

彼岸会
ひがんえ

略して彼岸とも。春秋の2季,春分・秋分の日を中日として7日間にわたって行われる法会。春分・秋分は昼と夜との時間が等しく,気候も寒暑の間にあって,法会執行に適するため彼岸会と称する仏徳讃歎の法会を行ってきた。起源は不詳だが,平安初期にはすでに行われていた。1873年(明治6)以前は暦本にしたがって行われたが,以後は毎年3・9両月の中旬末から下旬初めにほぼ一定した。

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とっさの日本語便利帳 「彼岸会」の解説

彼岸会

春分の日、秋分の日を中日として、その前後各三日、すなわち七日間を春・秋の彼岸と呼ぶ。太陽が真西に沈むので、阿弥陀仏(あみだぶつ)のいる西方極楽世界を思う仏教行事だとされているが、本来の仏教行事ではない。「日オガミ」が「日ガミ」になったという説もあるように、日本古来の民間行事であるようだ。

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世界大百科事典(旧版)内の彼岸会の言及

【彼岸】より

春分秋分を中日として,その前後おのおの3日にわたる1週間を〈お彼岸〉と称し,この期間に寺院では彼岸会という法会を行い,信者は寺に参詣し,説法を聴聞,また墓参などをする。このような習俗はインド,中国にもみられず,日本にしかない。…

※「彼岸会」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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