後志利別川(読み)シリベシトシベツガワ

デジタル大辞泉 「後志利別川」の意味・読み・例文・類語

しりべしとしべつ‐がわ〔‐がは〕【後志利別川】

北海道南西部を流れる川。内浦湾に近い長万部おしゃまんべ岳に源を発し、日本海に注ぐ。長さ80キロ。流域温帯気候北限十勝支流利別川と区別するため、名に「後志」がつけられた。

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日本歴史地名大系 「後志利別川」の解説

後志利別川
しりべしとしべつがわ

渡島半島の北部、檜山地方を西流して日本海に注ぐ一級河川。たんに利別川ともいう。近世の記録にはトウシベツ川・セタナイ川などとある。利別川水系の本流で、流路延長八〇・一キロ(うち指定区間五六・八キロ)、流域面積七二二・九平方キロ。長万部おしやまんべ(九七二・四メートル)水源とし、上流より今金いまかね町域でチュウシベツ川・ピリカベツ川・ホンシブンナイ川・しもハカイマップ川・メップ川・オチャラッペ川・利別目名としべつめな川・パンケオイチャヌンペ川、北檜山町域で真駒内まこまない川などが合流、同町と瀬棚町境を河口部とする。「丁巳日誌」(報登宇志辺津日誌)に「トウシは縄の事なりとかや聞侍りけるなり」とみえ、「西蝦夷地日記」にトシベツを「本邦人セタナイ川と云」とある(文化四年八月二二日条)。「津軽一統志」に「金山よりせたないえ参候には、せたない川の流に随ひ小船にて通路仕候」とある。「狄蜂起集書」にも「くんぬい金掘る山は瀬田内川上にて掘り申候由」と記され、流域に金山があった。上流域では一六〇〇年前半より砂金採取のため和人が進出したが、一六〇〇年後半には衰退したという(今金町史)。一七六〇年頃から当川筋でトド松の伐採が漁民に許されるが、鯡漁の不振で一七八〇年以降にはさらに和人が当地に入り込むようになった(今金町史・瀬棚町史)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「後志利別川」の意味・わかりやすい解説

後志利別川
しりべしとしべつがわ

北海道南西部、渡島(おしま)半島の中央部を北西流して日本海に注ぐ川。一級河川。延長80キロメートル。流域面積720平方キロメートル、単に利別川とよぶことが多いが、十勝(とかち)川支流の利別川と区別するため、国土交通省河川局など公的には後志利別川としている。渡島総合振興局管内と檜山(ひやま)振興局管内の境界にある長万部岳(おしゃまんべだけ)付近に発し、下ハカイマップ川、左股(ひだりまた)川、目名(めな)川、真駒内(まこまない)川、パンケオイチャヌンペ川などをあわせ、せたな町中央部で日本海に注ぐ。河岸段丘牧場、野菜畑に利用され、沖積地は水田のほかアスパラガスやジャガイモ栽培が盛んである。

[瀬川秀良]

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世界大百科事典(旧版)内の後志利別川の言及

【利別川】より

…後志(しりべし)利別川ともいう。北海道南西部,渡島(おしま)半島の中央部を流れる川。…

※「後志利別川」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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