檜山(読み)ヒヤマ

デジタル大辞泉 「檜山」の意味・読み・例文・類語

ひ‐やま【×檜山】

ひのきの生い茂っている山。
丹生にふの―の木伐り来て」〈・三二三二〉
[類語]岩山石山砂山砂丘松山禿げ山坊主山青山金山里山繁山芝山柴山杣山茸山茶山裸山ぼた山瑞山痩せ山

ひやま【檜山】[地名]

北海道南西部の振興局渡島おしま半島日本海沿いを占める。局所在地は江差えさし

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精選版 日本国語大辞典 「檜山」の意味・読み・例文・類語

ひ‐やま【檜山】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙(ひのき)の生い茂っている山。ひのきやま。
    1. [初出の実例]「斧取りて 丹生の檜山(ひやま)木こり来て 筏に作り ま楫貫き」(出典:万葉集(8C後)一三・三二三二)
  2. [ 2 ]
    1. [ 一 ] 北海道南西部、檜山支庁南部にある郡。
    2. [ 二 ] 北海道南西部の支庁。渡島半島の西側を占めて日本海に面し、明治三〇年(一八九七)設立。支庁所在地は江差町

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日本歴史地名大系 「檜山」の解説

檜山
ひやま

近世に檜山奉行(のち江差奉行)が支配した現上ノ国町・江差町・厚沢部あつさぶ町・乙部おとべ町・熊石くまいし町一帯の山林を檜山と称し、広域地名としても用いられた。「蝦夷日誌」(二編)に「檜山は松前の上の国、江差、東は落部、ユーラツフ山ニつゞく、二十里四方の檜山とも云べし」と記される。かつて遊楽部ゆうらつぷ岳の南麓から大千軒だいせんげん岳北麓に及ぶ広大な山地に檜樹(アスナロ)の自然林が広がっており、江戸開府の頃には木材需要が多く、檜材が松前藩経済を支える重要資源となっていた。このため藩は一六六〇年代に檜樹の扱いを直轄下に置き、檜山を留山にした。初期には上ノ国周辺の檜山を伐採し、檜山山監(官府)を上ノ国村に置き、山林と伐採を藩が管理した。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「檜山」の意味・わかりやすい解説

檜山(支庁)
ひやま

北海道南西部、渡島(おしま)半島の日本海沿い、および奥尻(おくしり)島を占める自治体を所管した北海道庁の出先機関。2010年(平成22)、支庁制度改革によって檜山振興局に改称・改組された。旧檜山支庁の所管区域は江差(えさし)、上ノ国(かみのくに)、厚沢部(あっさぶ)、乙部(おとべ)、奥尻、今金(いまかね)、せたなの7町からなる。支庁所在地は江差町。東部の渡島支庁との境を渡島山地が走り、山がちの地形で、後志利別(しりべしとしべつ)川、太櫓(ふとろ)川、厚沢部川、天(あま)ノ川などの流域に小平野が開ける。地名はヒバ(檜葉、ヒノキアスナロ)が多かったことによる。檜山と狩場茂津多(かりばもった)の二つの道立自然公園がある。

 農業従事者が多いが、1980年代後半以降、サービス業、建設業が増加、農業は第3位となっている。江戸後期から明治にかけて栄えたニシン業は衰退し、いまでは出稼ぎが多い。沿岸漁業を中心に浅海増殖漁業があり、ブロック投入による藻場造成、ウニ・アワビの種苗放流が行われる。農業は水稲・ジャガイモ栽培、酪農など。

[瀬川秀良]


檜山(秋田県)
ひやま

秋田県北西部、能代市(のしろし)の一地区。旧檜山町。中世には安東氏安藤氏)氏の本拠地で、山城(やまじろ)の檜山安東氏城館跡(国の史跡)がある。江戸時代羽州街道の宿駅であった。多宝院は、一帯を支配した佐竹氏の家臣である多賀谷氏菩提寺で、その本堂などは県指定重要文化財。

[編集部]

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百科事典マイペディア 「檜山」の意味・わかりやすい解説

檜山[支庁]【ひやま】

北海道南西部の支庁。渡島(おしま)国の西部と後志(しりべし)国の南西部を占め,檜山,爾志(にし),久遠(くどお),奥尻,瀬棚の5郡がある。古くから漁業のために開けた。支庁所在地は江差町。支庁制度改革に伴い2010年4月,檜山振興局となる。
→関連項目北海道

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歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典 「檜山」の解説

檜山
(通称)
ひのきやま

歌舞伎浄瑠璃の外題。
元の外題
檜木山旅路聞書
初演
明治15.3(東京・市村座)

檜木山
(通称)
ひのきやま

歌舞伎・浄瑠璃の外題。
元の外題
檜木山旅路聞書
初演
明治15.3(東京・市村座)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「檜山」の意味・わかりやすい解説

檜山
ひやま

秋田県北西部,能代市の南部にある集落。旧町名。 1955年能代市に編入。江戸時代から茶畑があり,日本の茶生産地の北限地。

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