徒事(読み)アダゴト

  • ▽徒事
  • ▽徒事/×只事/▽唯事
  • いたずらごと
  • いたずらごと いたづら‥
  • いたずらごと〔いたづら〕
  • ただごと
  • とじ

デジタル大辞泉の解説

真心のこもらないその場かぎりのこと。たわむれごと。
「はかなき―をも、まことの大事をも」〈・帚木〉
無意味なこと。むだなこと。
「さればとて勧むる薬剤(くすり)に、功能なくは―なり」〈読・弓張月・続〉
無意味なこと。くだらないこと。
「―のみ思ひ続けられて」〈有明の別・二〉
みだらなこと。
「恋の部とて五巻まで多かるは、―のつつしみなきなり」〈読・春雨・海賊〉
根拠のないこと。
「男は胸に知恵なくして心に知恵深しと云ふは、―なり」〈仮・夫婦宗論〉
《古くは「ただこと」》取り立てていうほどのこともない事柄。普通のこと。多く、あとに打消しのを伴って用いる。「あの騒ぎは―ではない」
むだなこと。むだごと。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

大辞林 第三版の解説

深い意味のないこと。つまらないこと。 年ごろ、まめごとにも-にも召しまつはし/源氏 若菜下
色ごと。情事。 世の常の-の、ひきつくろひ飾れるにおされて/源氏 絵合
むだなこと。役に立たないこと。 十八年の願ひも-/歌舞伎・助六
無益なこと。役に立たないこと。 つれづれと-を書きつめて/千載 雑下
みだらなこと。うわついたこと。 -の心から、御恩の深いおとつさんを、都に残してこのつとめ/人情本・娘節用
無駄なこと。何にもならぬこと。

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙
① 何の役にも立たないこと。無益、無用な行為。くだらないこと。むだごと。
※有明の別(12C後)二「いたづらごとのみ思ひ続けられて」
② 根拠のないこと。正しくないこと。いつわり。うそ。
※仮名草子・夫婦宗論物語(1644‐46頃)「男は胸に知恵無くして心に知恵深しと云ふはいたづら事也」
③ みだらなこと。また、色恋沙汰。
※浮世草子・世間娘容気(1717)二「当世の歌舞妓狂言いたづら事を第一にたてて」
④ 十分ではないこと。いいかげんな状態。
※虞美人草(1907)〈夏目漱石〉一三「行くも帰るも徒事(イタヅラゴト)では通れない」
〘名〙 目的・意図を果たさないで終わるむだなこと。効果のないこと。かいのないこと。いたずらごと。
※雑嚢(1914)〈桜井忠温〉二二「事成って自国へ帰ることが出来れば、『ブルガリアの商人』としての彼の仕事は、素(もと)より徒事(トジ)には終らぬ」

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