心嚢炎(読み)シンノウエン

デジタル大辞泉 「心嚢炎」の意味・読み・例文・類語

しんのう‐えん〔シンナウ‐〕【心×嚢炎】

心膜炎」に同じ。

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精選版 日本国語大辞典 「心嚢炎」の意味・読み・例文・類語

しんのう‐えんシンナウ‥【心嚢炎】

  1. 〘 名詞 〙しんまくえん(心膜炎)

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改訂新版 世界大百科事典 「心嚢炎」の意味・わかりやすい解説

心囊炎 (しんのうえん)
pericarditis

心囊炎とは,心臓を包む心膜pericardium(心臓の表面を包む心外膜epicardiumと狭い心膜腔を隔てて心臓を包む狭義の心膜から成る)の種々の原因によって起こる炎症病変の総称であり,心膜炎あるいは心包炎ともいわれる。心囊炎は通常,急性心囊炎,慢性心囊炎,先天性心囊炎の三つに大別される。急性心囊炎の原因として以前はリウマチ性あるいは結核性が多いと考えられていたが,最近では原因不明の特発性心囊炎が多く,その主因ウイルス性といわれている。心囊炎はほとんどが全身疾患の一部あるいは続発症として発現する。明らかな原因として尿毒症,膠原(こうげん)病に伴うものがあり,また悪性腫瘍外傷内分泌疾患にしばしば合併する。急性心囊炎にみられる一般症状としては胸痛呼吸困難発熱が主であるが,とくに胸痛は最も特徴的な症状で,病初期からあらわれる。多くは突然出現する前胸部の鋭い痛みで,狭心症や心筋梗塞(こうそく)と誤ることもある。心膜の炎症により滲出液が貯留し,聴診上しばしば心膜摩擦音が聴かれる。診断は定型的な症状を呈した場合,心電図,胸部X線,心エコー図などの所見から比較的容易であるが,臨床経過は原因疾患によって異なり,非定型症状のまま慢性期に移行し,徐々に進行する心拡大や心不全症状を発現して初めて診断されることも少なくない。多量の心膜液貯留により心タンポナーデをきたしたり,心膜の癒合器質化が起こり心室の拡張・収縮障害をきたす収縮性心膜炎に至った場合には,外科的治療を必要とする。
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百科事典マイペディア 「心嚢炎」の意味・わかりやすい解説

心嚢炎【しんのうえん】

心嚢(心膜)の炎症。心膜炎ともいう。繊維素性,乾性,漿(しょう)液性,化膿性に分類される。ウイルス,化膿性の細菌,結核菌などの感染によるものと,リウマチ性疾患,尿毒症,悪性腫瘍(しゅよう)などによるものがある。またまれに原因不明のものもある。心臓部の痛み,呼吸困難,心悸亢進等があるが,自覚症状を欠く場合もある。心濁音界拡大,心嚢摩擦音聴取,頻脈(ひんみゃく),不整脈,奇脈等を認める。経過および予後は原因疾患により異なる。治療は絶対安静,強心剤や利尿剤の投与,原因に応じて細菌感染の場合は抗生物質の投与などのほか,必要に応じて心嚢穿刺(せんし)を行う。
→関連項目心臓病心不全

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「心嚢炎」の意味・わかりやすい解説

心嚢炎
しんのうえん

心膜炎

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