インターネット上に残る個人情報の削除を求める権利。スペインの男性が所有不動産を競売にかけられた過去についての検索結果の削除を求めた訴えで、欧州連合(EU)の最高裁に当たるEU司法裁判所が2014年、グーグルに削除を命じ、注目を集めた。プライバシー保護の新しい権利として注目されるが、日本の法律に明文規定はない。裁判では、プライバシー侵害や名誉
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(金谷俊秀 ライター / 2014年)
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インターネット上に掲載された自分の個人情報を削除できる権利。2012年1月、ヨーロッパ連合(EU)は個人情報保護を定めた「一般データ保護規則案」を公表。この第17条に「忘れられる権利right to be forgotten」が明文化され、データ元の個人から請求があった場合、個人データ管理者に当該データの削除が義務づけられることとなった。これに対しグーグル社は「報道の自由に対する検閲」と主張し反対してきた。しかし2014年5月、EU司法裁判所がスペイン人男性の訴えを認め、グーグルにリンクの削除を命じる判決を下した。その後グーグルには削除依頼が殺到し、グーグルがこれに対応したため、多くの犯罪や不祥事に関するニュース記事が表示されない状態になった。特定の情報を削除することによって市民の知る権利が侵害されることにもなるため、忘れられる権利と知る権利との線引きをどう決めるかが課題である。
[編集部]
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